◆所蔵品から◆資料ナンバー10453その他 ビルマに関連する資料の話
資料班
寄贈品展 展示風景(2024年12月~)
左:ビルマ派遣烈第10710部隊第二野戦病院凸行隊 隊旗 右:展示パネル
「第12回寄贈品展 知ってほしい 戦争の時代」が、2024年12月3日に始まりました。壁に展示されている旗というか垂れ幕に近づくと、「ビルマ派遣」の文字が見えます。隣のパネルには道筋をたどった赤い線の描かれたビルマ(当時)の地図(「ビルマ素図」と書かれています)。
ビルマは、現在はミャンマーと呼ばれています。「ビルマ」に関連する資料の寄贈はこれ以前にもいくつかありました。過去のご寄贈品もふりかえってご紹介したいと思います。
id10192 ビルマ素図
こちらは、前回の寄贈品展で展示したものです。今回と同じ方からのご寄贈です。
野戦病院に配属、輜重兵(しちょうへい)として従軍、インパール作戦に参加、4年間捕虜となり後に帰国という体験をされた方に関する資料です。輜重兵は、物資の輸送を担当していました。
鉄道や道路に沿って赤い線が書き込まれています。左側(西側)の線に「行キ」、右(東)に「帰リ」と書き添えられています。中央あたり、「キャウセ」という所でふたつの線が合流して、それより北には上向きの矢印だけがあります。太い線(国境)を越えてすぐのところ、大きな丸のある「フミネ」の横には「長期」「在住」と書かれています。
そのすぐ横の赤丸がついている所が、「インパール」です。
もう一度上の全体図を見ていただきたいのですが、左上の、曲線がぐるぐるしている所には、「ヒマラヤ山系」の文字があります。こんな近くに高山帯があるのは、知らなかった。
インパール作戦出征前の写真
もう1点、同じ方のものです。出征前の名古屋での写真です。
戦車の列の向こうに名古屋城が見えます。
id9658 「ビルマ素図」
ピースあいち・メールマガジン第145号(2021年12月)の
「所蔵品から 資料ナンバー9658 ビルマ素図他 の話」
で紹介
こちらは、2021年12月からの寄贈品展で展示した、また別の「ビルマ素図」です。
戦闘の様子が書かれている「付図」がついています。
id9092 「ビルマ残照」
さらに前の寄贈です。「ビルマ残照 元ビルマ派遣 独立輜重兵第五十一大隊第五中隊従軍記」。こちらの記録集も、輜重兵(しちょうへい)の部隊のものです。
箱入りのハードカバーの本です。
奥付によると発行者は「ポンジー会」です。「編集後記」によるとポンジー会は「三七五一部隊第五中隊」の会です。「三七五一部隊」は「独立輜重兵第五十一大隊」の事と思われます。昭和48年(1973年)11月の例会で、「ビルマ従軍記」(仮題)の編集・発行を提案し、賛成を受けて原稿を募集し作られたものです。
「ビルマ残照」 目次
「進攻作戦の巻」「防衛作戦の巻」「転進作戦の巻」「抑留生活の巻」の4部と「付録 資料編」で構成されています。
「ビルマ残照」 グラビア・軍票の写真・年表
巻頭には「想い出のスナップ」「想い出のスケッチ」、巻末には、軍票の写真や年表のページもあります。
お知らせ
第12回寄贈品展 知ってほしい 戦争の時代
開催中 2024年1月26日から冬季休館 2025年は1月7日(火)から
2025年2月22日(土)まで ピースあいち3階展示室
1月25日(土)に、寄贈品展のトークイベントを行います。
13:30~15:00 1階交流のひろば
・蓄音機の解説と実演
・終戦直前の鉄道切符(朝鮮総督府発行)にまつわる話
・衣料切符と戦時下のくらし
予約制です。052-602-4222 ピースあいち事務局まで
詳しい画像はこちらからどうぞ。
https://peace-aichi.com/pdf/20241223_biruma.pdf
ピースあいちウェブサイトの、所蔵品の紹介のページからも、バックナンバーの関連画像が見られます。よかったらこちらもどうぞ。
https://peace-aichi.com/objects/