◆所蔵品から◆資料ナンバー10472その他 前回に続き、外側だけではわからない資料の話
資料班
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軍用カバン
今月も、先月に続いて「サムネイル写真だけでなく、中身も見てほしい」資料たちを紹介します。今回も2024年12月から始まる第12回寄贈品展で展示する予定の資料を見ていただきます。
最初は先月ご紹介した「軍用カバン」です。
布のカバーの下は金属、ここまでは先月見ていただきましたが、
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軍用カバン
開けたところまではご紹介していませんでした。
ベルトと、中身を押さえるためのひもというかテープというかバンドがあります。
散らかっているように見えるかもしれませんが、側面や底に、紙が貼りついてしまっています。手書きの文字のある紙と、印刷された紙が見えます。印刷の紙は新聞でしょうか。
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蓄音機
もうひとつ、蓄音機です。こちらも、ふたの裏にあるマークまではご覧いただいていませんでした。
「Viva **nal Columbia Grafonola」 と書かれています。
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将校行李
今回あらたにご紹介するのは将校用の行李です。衣装ケースくらいの大きさです。行李(こうり)は、衣類などを入れて運ぶ箱です。将校用(軍の偉い人用)の行李は、表面は木製で、金具があります。革のベルトがついています。
開けたところは、軍服のような色の布です。ふたの裏に2か所あるポケット状の物入れに、白い紙がついています。
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将校行李 部分
白い紙には、入れる物と数・重さのリストがあります。重さの単位は匁(もんめ)(1匁=3.75g)と貫(かん)(1貫=3.75kg)です。
荷物の中で重いのが「軍衣袴 一組」(おそらく軍服上下)540匁(約2kg)と、「厚毛布 二部一ヶ」510匁(約1.9kg)「襦袢衿下 二組」(おそらく下着)320匁(1.2kg)です。靴は170匁、637.5kgです。
「備考」には、行李が1貫800匁で、それを含めて「四貫匁以内トス」と書かれています。1貫は3.75kgなので4貫は15kgです。
最後に書かれているのは製造している会社の名前と所在地。「陸軍御用 革具製造 水村軍装店」「陸軍士官学校前通り 東京市四谷区本村町5」。 東京市四谷区は、現在は東京都新宿区。防衛省があるあたりです。
お知らせ
第12回寄贈品展 知ってほしい 戦争の時代
2024年12月3日(火)~2025年2月22日(土) ピースあいち3階展示室
現在、準備中です。
詳しい画像はこちらからどうぞ。
https://peace-aichi.com/pdf/20240923_20241021_inside_again.pdf
ピースあいちウェブサイトの、所蔵品の紹介のページからも、バックナンバーの関連画像が見られます。よかったらこちらもどうぞ。
https://peace-aichi.com/objects/