はじめての「ピースあいち」
山梨平和ミュージアム・理事 中島 直樹
早いもので、今年4月11日に初めて「ピースあいち」を訪れてから半年が経ってしまった。薄れた記憶からの文章ですが、訪問の感想を送ります。
私は山梨県甲府市にあるNPO法人「山梨平和ミュージアム」―石橋湛山記念館―で数年ほど前からボランティアをするようになった。「山梨平和ミュージアム」の誕生は、「ピースあいち」と同じ2007年だ。一階は甲府空襲、甲府連隊の軌跡、戦時下の暮らし、二階は山梨で育った第55代首相石橋湛山の生涯と思想についての展示となっている。
昨年が没後50年となった湛山は、近年、大きく関心を寄せられるようになっている。今年8月19日には、超党派の「石橋湛山研究会」に所属する国会議員のうち9名が訪れた。湛山に学び、国政に生かしていただきたいと切に願う。
さて、今回の訪問のきっかけは、郵送でいただいた企画展「名古屋空襲を知る」というパンフレットだった。自身が甲府空襲の説明をすることもあり、名古屋ではどんな状況だったのかと興味を持った。
一階で紹介ビデオを見せていただいた後、さっそく三階へ上った。そこにいらした空襲体験者の井戸さんにお話をうかがうことができた。1945年3月の空襲時、6歳だったそうである。そしてパネルを見て読んで、驚いたのは空襲の回数である。甲府は1945年7月6日の一回だけだった。
コーナーには東邦高校美術科の生徒たちの作品が展示されていた。それぞれの個性が出ていて引き込まれた。
そして一階の「現代の戦争と平和」展示では現在、世界の耳目を集めているパレスチナ問題が詳しく取り上げられていた。QRコードを読み取ると英訳が出て来る。優れた取り組みだと感じるとともに、完成までのご努力が偲ばれた。
細かく見学しすぎたせいか、まったく時間が足りず、約3時間滞在したのに三階と一階の一部だけで16時を過ぎてしまった。それだけ企画展が充実していたということであろう。次回は二階を、と思いながら帰路についた。