ピースあいち訪問記◆オーストラリアのメンバーとともに
愛知県芸術劇場 企画制作グループ プロデューサー 山本麦子






 去る4月15日にピースあいちにタスマニア(オーストラリア)の児童劇団 Terrapin Puppet Theaterのメンバーがお伺いし、展示の見学や戦争体験者のお話を聞かせていただきました。
 今回、劇団が愛知県に滞在した目的は、子ども向けの演劇作品を日本のアーティストとの共同で創作するためのリサーチでした。作品テーマは「災害とそこからの復興」で、戦争中の街の様子や状況についてメンバーと共有するために訪問しました。宮原さん、吉岡さんのガイドや森下さんの戦時中の空襲の体験談を伺えて、大変充実した見学となりました。

訪れた方からのコメントをご紹介します。

It was very affecting, and quite emotional (I cried a little). It was an honor to hear the story from the air raid survivor and the explanations from Peace Aichi staff. I was struck by the honesty of the stories, and the images depicting both suffering within Japan and as a result of their attacks. World War 2 is often glorified in Australia in terms of heroism and mateship, so it was very useful to hear a different perspective.
Bryony
 とても印象的で感情の揺さぶられる体験でした(少し泣いてしまったほどです)。体験者の方からのお話や、ピースあいちのスタッフの方の説明を聞けたことはとても貴重な体験でした。日本での被害についてのお話と、日本軍の侵攻がもたらした被害のイメージが重なって、その誠実さに感銘を受けました。
オーストラリアでは第2次世界大戦は「英雄談」や「助け合い」について語られることが多いので、別の視点からのお話を聞けたことは多くの気づきがありました。
(ブライオニー)

The Aichi Peace Museum shows just how terrible war is. I will never forget our time with the storyteller who was able to recall like yesterday the experience of being a child caught in a war in his home country. Hearing face to face, the terror and hurt he felt on seeing his house burning down, and his reflections on the terrible consequences of fascism, will stay with me always.
Sam
 ピースあいちの展示は、戦争がいかに酷いものかということを如実に示していました。私は語り部の方が子どもの頃に自分の国で受けた戦争経験を昨日のことのように話したことを忘れないでしょう。語り手の方から直接自分の家が焼け崩れる様子を目の前で見た恐怖や、ファシズムの行きつく結果についての内省を聞いたことは一生私の心に残り続けます。
(サム)


 今回はオーストラリアからのゲストでしたが、以前東京から来たアーティストにご紹介したこともあります。このような施設が常設で名古屋市内にあり、直接説明を受けたり語り部の方のお話をお伺いできるという事は本当に貴重なことです。このような施設を維持運営され、語り部などのコーディネートもされるということは大変なことだと思います。あらためて感謝申し上げます。ありがとうございました。