◆所蔵品から◆資料ナンバー9658 ビルマ素図他 の話
資料班
ビルマ素図 部分
12月7日から、「第9回寄贈品展 来て見て伝えよう戦争の記憶」が始まりました。冬季休館(12/25-1/5)をはさんで、2022年2月26日(木)までです。
展示中の資料から今月もご紹介したいのですが、まずはこちら。
地図や、戦闘の状況を表す「要図」のセットです。ひとつの額にまとめて展示されています。
右上の緑色の印刷の地図についているタイトルが、「ビルマ素図」。
ビルマはミャンマーの昔の呼び方です。見えているのはビルマ(ミャンマー)の北の部分で、太い線(1点鎖線)で囲まれています。国境の向こうは、見えている部分では、西はインド、東は中国です。それぞれ、アッサムという地名の一部と、雲南省の「雲」の字が見えます。
そういえば、アッサムと雲南省は、どちらもお茶が有名です。雲南省はプーアル茶の産地です。
付図9 神威部隊サットワ附近戦闘経過要図
下段は赤と青の記号が書き込まれた「要図」が並んでいます。下段中央近くの図には、「戦闘経過要図」という題が付いています。
このあいだの142号(2021年9月号)の「所蔵品から」で、「要図」の書き方の本「要図ト写景図之書方」をご紹介しました。
その時調べた事を使ってみようと思います。敵が赤、味方が青です。
一番多くて目立つのは、赤色の戦車隊の記号です。戦車のそばに「印20D」と書かれています。「印」はインド、「D」は師団を表します。
20.4.14~23と日付が入っています。20は昭和20年、1945年です。
「要図ト写景図之書方」より
白丸の上に旗が付いているのは「歩兵大隊本部」です。
歩兵が「i」、騎兵が「K」です。機関銃隊を表す「MG」の記号も使われています。
地図ケース
もうひとつ、さらっとご紹介します。
別のご寄贈者の資料です。ドイツ語で「LANDKARTEN・SCHTZTASCHE」と書いてあります。「地図・保護バッグ」という意味で、地図を入れるケースです。1センチメートルの方眼が入った透明なビニールでできています。素材から考えると、新しいものかもしれません。
地図ケース 目盛り部分
目盛りの端のところに、縮尺と距離の対照表が付いています。
「トリアノン」説明書
地図ケースとともに展示されているのは「トリアノン」という薬品の説明書です。
現場毒物検知要項
地図ケースの中に正方形に折りたたまれた紙が入っています。取り出して開いてみると、赤い「秘」の文字が入った文書でした。
「現場毒物検知要項」というタイトルで、いろいろな毒物について説明してあります。
お知らせ
「ピースあいち第9回寄贈品展 来て見て伝えよう戦争の記憶」 開催中です。(2022年2月26日(土)まで)
今回ご紹介した資料を含む、115点を展示します。
ピースあいちは12月25日から2022年1月5日まで休館です。
詳しい画像はこちらからどうぞ。
https://peace-aichi.com/pdf/20211222_kizouchizu.pdf
ピースあいちウェブサイトの、所蔵品の紹介のページからも、バックナンバーの関連画像が見られます。よかったらこちらもどうぞ。
https://peace-aichi.com/objects/