ボランティア雑感◆「ピースあいちへの道」
ボランティア 牧野 修三
本年4月から2回/月の頻度でボランティアを始めました。ここでは自己紹介も兼ねて、私がピースあいちにたどり着くまでの道のりを主に書かせていただきます。
1.幼少期から成人
幼少期、終戦当時14歳だった父から名古屋空襲で焼かれた人たちの話をよく聞かされました。父は、この時の体験がトラウマとなって最晩年まで名古屋空襲の悪夢にうなされていました。父の戦争体験や平和への思いは、その後の私の人格形成に強い影響を与えました。
成長するにつれ、70年安保や公害問題などの報道に触れて社会問題にも強い関心を持つようになり、父からの影響と合わせて「権威主義的・軍隊的なもの」に反感を抱きながら育ちました。
2.就職後
就職後早々に出会った一冊の本『中国の旅』(本多勝一著)が、子どもの頃からの問題意識をさらに高めるきっかけとなりました。「太平洋戦争は主に日米間の戦い」程度の理解しかしていなかったのですが、この本で中国での出来事の一端を初めて知り、それから多くの書籍や映画に没頭しました。
こうして先の戦争の全体像への理解・認識を深めていく中で、昭和から平成へ移行する時期の日本社会を覆った空気に大きな違和感を抱き、この違和感は後年の東日本大震災及び福島第一原子力発電所事故で危機感となり、自らも「何か行動を」という思いが強まっていきました。
ボランティアの先輩と(左が筆者)
3.定年退職、「ピースあいち」へ
定年退職後、さっそく「何か行動を」と情報収集したところ、私の問題意識や価値観に最も合致したのがピースあいちでした。初めて訪れたのは特別展「水木しげるの戦争と新聞報道」が開催されていた2019年8月ですが、
(1) 常設展示の素晴らしさ
特に、①戦争の全体像が俯瞰されている ②日本に留まらず関連諸国も広く視野に入れている ③現在進行中の出来事も展示し、将来への警鐘としている ことに感銘を受けました。
(2) 企画展の仕掛け
幅広い層の興味を引き、常に新しい話題を提供するという点で、素晴らしいと思いました。もちろん、内容も良く吟味されて情報密度が極めて高い。「水木しげる」の名前に惹かれて訪れた私自身も、まんまとその仕掛けにはまった一人です。
(3) 明るくソフトな雰囲気
暗く重くなりがちな戦争に関する展示ですが、開放的な建物や柔らかい印象のインテリア、オープンで気さくなスタッフの方々、これらが醸し出す雰囲気で気分が救われました。
館を離れる頃には既にボランティアへの参加を決意していました。それから少し間が空きましたが、本年4月からボランティアに加わりました。ボランティアを始めてから知ったことですが、多様な方々が運営に参加されており、同じ価値観のもとに、お互いを尊重し合い、自由闊達に意見交換ができる、交流・相互啓発の場となっていることも素敵です。
4.「ピースあいち」での、これからの私
私の価値観は日本国憲法の精神そのもの、と最近になって気づきました。(遅すぎですね!)
また、「何か行動」するときに心がけているのは、「全体(時&空)を俯瞰しつつ、自分ができること、やりたいことをやる。」です。
自分の価値観を貫く、それは、とりもなおさず日本国憲法の精神を大事にすること。
それを具体的な行動に落とし込むために、ピースあいちのボランティアとして、「自分ができること、やりたいこと」から、精一杯お手伝いしていきたいと思っています。