◆所蔵品から◆資料ナンバー5751その他 衣料切符の話 資料班
ピースあいちでは、現在2階常設展の資料の入れ替えを順次行っています。1月に第1展示「愛知県下の空襲」、2月に第3展示「戦時下のくらし」のリニューアルが行われました。4月に第2展示「戦争の全体像・15年戦争」のリニューアルが予定されています。
戦時下のくらしの「物資がだんだん無くなった」のパネルのところで、配給切符を展示しています。戦争で物資が不足し、身の回りのいろいろなものが、切符と引き換えでないと買えなくなっていきます。
今回は、配給切符の中でも、衣料切符を見ていただきたいと思います。
衣料切符
衣料切符です。大きさは、縦の長さが約18センチです。
有効期間は昭和18年(1943年)2月1日から昭和20年1月31日です。
中央あたりに公布責任者、京都市長の印と経由責任者の町内会長の印があります。
あちこち欠けた形をしているのは、切符を切り取って使ったからです。
裏側も見てみます。
衣料切符 裏側
左側は、大きく「1」の数字。「昭和18年8月1日以降有効」と書かれています。必要な衣料品に相当する点数の分だけお店の人が切り取るシステムです。
晒(さらし)、ネル、タオル、手拭(てぬぐい)、靴下、足袋、綿縫糸は、点数の切符以外に右のほうについている「制限小切符」が必要です。
まん中は注意書きです。最初に書いてあるのが、節約につとめ、必要以外物を買わないように、買いだめ、買いあさりを控えるように、ということです。
後は、他人に譲り渡してはいけない、ということも書かれています。
(イ)婚約の整った婦人 (ロ)妊娠五ヶ月以上の婦人 (ハ)火災、盗難その他の災難により衣料品を損い、あるいは失くした人 (ニ)その他特別の事情のある人 は申し出てください、ということも書かれています。
衣料切符
こちらは有効期間は同じ。「甲」と書かれています。都市の人には「乙」、その他の地方には「甲」が公布されました。こちらは公布責任者として庄内村村長の印があります。丸の中に「特」「妊」の文字があります。
衣料切符
こちらは配給品購入票。大きさは、9cm×13cmくらいです。昭和21年(1946年)のものです。終戦後も、物資の不足と配給制度は続いていました。
晒(さらし)一切(?)とかかれていて、右上には「妊」「嬰」マークが入っています。「嬰」は嬰児、小さな子供がいる、ということでしょうか。
晒(さらし)は、白い木綿の布で、おむつに使ったり、妊娠した女性がおなかを守るために巻いたりします。
お祭りのときに白い布を胴体に巻いていたりしますが、あれも晒です。
衣料切符
昭和19年から21年の衣料切符です。
注意書きの最初が、「今年度は衣料切符の点数も少(すくな)くなりましたので、皆さんは今一層衣料品の消費節約と手持品の補修活用に心掛けられ決戦下の衣生活を戦い抜いて下さい。」になっています。
前年は、「買い溜(だ)め、買い漁(あさ)りなどしないように」だったところから、「決戦下の衣生活を戦い抜いて」と、かなりシビアになっています。
詳しい画像はこちらからどうぞ。
http://www.peace-aichi.com/pdf/20160323_iryoukippu.pdf
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