沖縄に行ってきました。 <4>ボランティア 加藤有子




前回までのあらすじ
 2013年9月4日から9月6日まで、沖縄に行ってきました。対馬丸記念館に行って、「戦争と動物たち展」を見るのと、6月の対馬丸展の時に名古屋でお会いした対馬丸記念館の外間さんと慶田盛さんに会いに行くのが目的でした。
 前回までで、1日目(対馬丸記念館を訪ねて、晩ご飯)と、2日目の途中まで(バスツアーで今帰仁(なきじん)城跡とジンベエザメを見学)、それから3日目の昼ごはんの話をしました。
 今回は最終回で、2日目の夕方から。国際通りあたりを歩いたり買い物をしたり。3日目には、再び対馬丸記念館のお二人のお世話になって、沖縄県平和祈念資料館とひめゆり平和祈念資料館を訪れ、そのあと一人で首里城へ行きました。

パイナップル 桜やハブの話 オリオンビールと琉球新報
 水族館のある海洋博公園を出て、山道(伊豆味(いずみ)街道)に入る。ガイドブックによると、沖縄そばのお店が多い「そば街道」らしい。
 本部(もとぶ)町は1月に桜まつりがある。伊豆味街道の名物は、ミカンとパイナップルとハブ。ハブは17℃以下だと冬眠をして、30度以上になるとバテる、らしい。(寒がりで暑がり?)曇りで蒸し暑い日によく出るとか。
 ナゴパイナップルパークでパインについて学び、試食をして、お土産(パイナップルワインとかパウンドケーキとか)を買う、予定だったのが、水族館で買い物をしすぎた上にお昼ご飯もゴージャスだったので、ここではお土産は買わない。パインの試食コーナーでは、甘くなさそうな白っぽいところばっかり残しては悪いと思ってなるべく均等に食べた。そのあとバスに乗った時のガイドさんの「心がけの良い人は甘いパインが食べられる」の言葉に、心づかいが裏目に出たような複雑な気持ちになった。
 あとは那覇市に向かって帰る。オリオンビールの工場の横を通る。道の反対側のビルには「琉球新報」の看板(?)があって、「むむ」と思う。

写真

上:焼き物100より
下:テイクアウトグルメ100より

2日目の夜は国際通り
 午後6時半ごろに、国際通りの西の端のバス停でバスを降りる。道を渡ったところのデパートにまず行ってみる。
 地下食品売り場で、1日目の昼食で出てきたハンダマ(水前寺菜)を購入。138円とか。夜食にする予定。デパ地下はもうひとつ目的があって、バスのガイドさんが「沖縄の牛乳の紙パックは1リットルではなくて4分の1ガロン(946ミリリットル)」と言っていたので、見てみたかった。
 デパートの上の階の本屋さんに行く。沖縄ローカルのガイドブック「100シリーズ」の、「テイクアウトグルメ100」と「焼き物100」を購入。テイクアウト~は、夜食用。昼のバイキングで、夕方になってもおなかいっぱいなので、夕食はお持ち帰りにしようと思った。
 ジュンク堂(でかい本屋)(モノレールで隣の駅)が10時まで!開いているらしい。沖縄の植物図鑑を買いたかったが見つからないので帰りに寄ろうと思う。
 テイクアウトはアボカドバーガーにしよう。(あとハンダマで夜食。)アボカドバーガーの店が見つからないのでとりあえずジュンク堂に行く。沖縄の本のコーナーが広い。自然科学系は奥の方みたい。図鑑をゲットして、もう一回ハンバーガー屋さんを探す。見つからないけど、お腹もすかないのでこのまま帰ろう。

お腹のすかない夜 朝焼け 朝食
 モノレールに乗って、ホテルに帰る。わき腹と足首が痛くてなかなか眠れない。夜中に起きだして、ハンダマを洗面所で洗ってもさもさと食べる。みょうがのような鼻に抜けるさわやかな香りとぬめりがある。
 翌朝は朝風呂(6時から大浴場が開いてる)。すりガラスの向こうにピンクの朝焼け。朝食は前の日とほぼ同じ。パパイヤの炒め物はこの日に初めて食べた。

沖縄県平和祈念資料館

沖縄県平和祈念資料館の赤い屋根 リーフレットより

対馬丸記念館へ それから沖縄県平和祈念資料館へ
 ホテルのロビーで対馬丸記念館のお二人に会って、慶田盛さんの運転で、まずは対馬丸記念館へ。途中「とまりん」(泊港ターミナルビル)の横を通る。
 対馬丸記念館で、ピースあいちの岡村学芸員に出会う。
 車で南へ。外間さんから、お土産に「きっぱん」(伝統的なお菓子。柑きつの砂糖漬け)をいただく。
 とよみ大橋→南風原(はえばる)へ。道のわきにさとうきび畑。しおれて白っぽくなっている葉があるので、収穫はいつですか、ときいてみる。(さとうきびの収穫は2~3月だそうです。)長野県で見た一面のとうもろこし畑に似ている(同じイネ科だし)と思って、そう言ってみたけど、あまり賛成されなかった。沖縄県平和祈念資料館への道沿いには、昔ながらの沖縄らしい街並みが比較的残っている。赤い瓦で、つなぎのしっくいが黒くなった屋根。「ひんぷん」(門の内側で、家の入口との間に目隠しのような感じである壁。後で調べた。)のある家。外間さんによると、沖縄県平和祈念資料館の赤い瓦の屋根は、きれいすぎてなんか違うらしい。

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上:モモタマナ
中:リーフレットより 1階 子どもたちのための展示室
下:リーフレットより 2階 第3展示室

沖縄県平和祈念資料館 平和の礎
 平和祈念公園へ。図鑑を手に、外間さんに公園の植物の話を聞く。「モモタマナ」(くわでぃーさー)は、公園や墓所によく植えられる木。夏は葉が茂り日蔭を作り、冬は葉を落とす。沖縄には少ない、紅葉する木でもある。果実は、図鑑では食用と書いてあったが、「渋い」らしい。
 「ぶっそうげ」別名「あかばな(ー)」(ハイビスカス)は、生け垣にする。あと、外間さんによると、髪を洗うのにも使った。
 平和祈念資料館へ。お金かかってるなー、という印象。1階の子ども用のスペースで、パキスタン・イスラム共和国(アフガニスタン難民収容所)の12歳の男の子の家族の紹介のビデオを見る。その子の母親が映る時、「女性が撮影しました」という文字が出て、戒律のようなものがあるのか、と思う。
 2階常設展を見る。洞窟の模型に入ると等身大の人形にびっくりする。 日本軍の兵士のポーズが前と違うらしい(帰ってから知りました)。体験記を読むコーナーも広い。体験記が1冊ずつ置かれた机が縦横に並んでいる。がれきや、戦後の街並みもスケール大きく再現されていて、やはり2階もお金がかかっていた。
 ミュージアムショップでメモとボールペンと栞のセットを買う。広島と長崎と沖縄の折り鶴からできた再生紙が原料。
 館を出て、平和の広場(平和の火)へ。えらい人が来る時は火が付いてるらしい。海を見る。血に染まった摩文仁(まぶに)の海。平和の礎では、外間さんのごきょうだいやいとこの名前を探した。

昼食 沖縄のいろいろを聞く
前回の記事 http://www.peace-aichi.com/piace_aichi/201311/vol_48-20.html をご覧ください。

ひめゆり平和祈念資料館へ
 石畳はサンゴの石。他のところと違って、表面が平らに削ってある。でも穴あき。花の多い庭。子ども連れが多かったり、華やかな雰囲気。かわら美術館で展示を見たことがあるので、再び出会いました、という感じ。
 対馬丸記念館のお二人と一緒だったので、沖縄県平和祈念資料館でも、ここのひめゆり平和祈念資料館でも、学芸員やスタッフの人たちにお会いすることができた。研究活動や体験談の語り継ぎをしていること、それからそれぞれの館がお互いに交流していることが近くで感じられた。

スタンプラリー

首里城スタンプラリー
下の方で赤いスタンプが押してあるのが守礼門

二人と別れ、モノレールで首里城へ
 モノレール終点、首里駅で下車。
 スケールがでかい。つまりけっこう歩く。門に行くまでの道(左は石垣)で白い子猫に会う。曲がったところで「ハブに注意」の看板が出ていた。昨日のツアーでガイドさんが、ハブに勝った90歳だか100歳だかのご婦人の話をしていた。頭を叩いて脳しんとうを起こさせたらしい。何か棒はないかととっさに思った。
 スタンプを押す。わりと好き。たくさんの人が押すのだと思うけど、擦り切れて細かいところがつぶれていた。時間がないので、コンプリートは無理みたい。
 スタッフの男性は琉球の装束。黒いキモノ風のワンピースで、帯と、円柱形の帽子はカラフル。いきなり初歩ですが、めんそーれー、と言われて、どういう意味だった?と悩む。正面の壁は工事中。入場料を払って入る。えらい人のいる所の割に、オープンな作りのような。でも、こんな所、ふつうの人はこんな風に歩けなかったんだろうな、と当時をしのんでみる。刺繍の龍がすごかった。ていうか、これ刺繍なの、というすごさ。
 せっかくだから守礼門は見たい。どっしりした首里城とは違う軽やかな造形。鮮やかな彩色に幾何学模様。白に緑の四角い渦巻きとか。見に来てよかった。守礼門のスタンプを押したところで引き返す。

月桃の実

月桃の実

国際通り周辺で買い物 空港へ
 1時間半で空港に行かねば。終点一つ手前の儀保駅まで歩く。昼食の時にきいた「さとうてんぷら」の名店がこの近くらしい。道のわきの茂みに月桃がある。
 モノレールを途中下車して、昨日の夜たどりつけなかったハンバーガー屋さんを探す。今度は行きつく。木の床とカウンターで薄暗い感じ。アメリカのラジオ放送みたいなのが流れている。アボカドチーズバーガーを注文する。10分ほどかかるというので、その間に国際通りにお土産を買いに行く。アボカドチーズバーガーを受け取って、モノレールまで歩きながら半分食べる。肉の焼けたいい香りに、フレッシュなアボカドとレタス。パンも香ばしく焼いてある。

帰る
 県庁前駅からモノレールで空港へ 那覇空港駅に着く。日本最西端の駅、の表示(記念写真が撮れる)。最南端は次の赤嶺駅ですよ、という案内もある。
 飛行機は19時5分発が、遅れて出発。昨日行った本部半島が見える。海岸線に沿ってあかりが点々と見える。
 着陸は少し衝撃あり。帰りの飛行機の操縦のほうがダイナミックだった。10時ごろ帰れた。ハンダマ(前の日の残り)とアボカドバーガー(残り半分)は、帰ってから食べた。アボカドバーガーは冷めてもうまかった。レタスは煮えていたしパンはやわやわになっていたけど。