杉山千佐子追悼―「名古屋空襲と戦傷者たち」展 (2018/2/27~5/19)

2017.12.14

 

名古屋の街に250キロの爆弾が降り注いだ1945年3月25日、杉山千佐子さんは防空壕で生き埋めになり、九死に一生を得ました。しかし左顔面に大きな傷をうけ、「眼帯をしなければ、人様の前に出られないような顔になって」しまいました。そのとき、29歳。

戦争は、戦地で戦った兵士だけでなく、市井の民の心身にも回復し得ない傷痕を残すことを、杉山さんは全身全霊で示し、2016年9月18日に亡くなるまで、補償を求めて闘いました。二度と戦争を起こさないために、命がけで戦争を告発した人生でした。しかし政府も国会も裁判所も、いまだ民間の戦災傷害者を救済していません。

杉山さんへの追悼をこめて、杉山さんの人生を一本の軸に、1945年3月の3回の名古屋空襲の実態と国家のあり方を問います。市民に消火義務を課し避難を許さなかったため、多くの犠牲者を出した「防空法」についても、実物資料とともに展示しています。

 

 

開催期間 2018年2月27日(火) ~ 2018年5月19日(土)
開催場所 ピースあいち3階展示室
入場料 通常の入館料でご覧いただけます。
関連企画 場所はいずれも1階交流のひろば 
(入館料のみでご参加いただけます。)

●2月27日(火)13時30分~15時 
講演会
「私はひとつの眼からしか涙が出ない~杉山千佐子と3月25日の空襲」
お話 西形久司さん(東海高校教諭)

●3月3日(土)13時30分~15時 
愛知学院大学法学部国際法ゼミの学生による研究発表
「国際法からみる名古屋空襲」

●3月24日(土)
16時~16時45分 
椙山女学園高校生による「杉山千佐子の戦争体験の語り継ぎ」
17時~18時
「名古屋空襲から73年 犠牲者追悼の夕べ」
緑風の会による朗読会とともし火法要

●4月14日(土)13時30分~ 
講演会「杉山千佐子とは何だったのか」
お話 名古屋空襲の体験者と岩崎建弥さん
(全国空襲被害者連絡協議会副運営委員長)