◆所蔵品から◆ 真珠湾の奇襲に「特別攻撃隊」を投入―「写真週報」から 資料班
所蔵品の「写真週報」から、太平洋戦争の発端となった日本海軍の真珠湾攻
撃で特殊潜航艇（せんこうてい:水中を潜ったまま航行できる小型の軍艦）が米
（アメリカ軍の）太平洋艦隊を強襲し、再び還らなかった特別攻撃(体当たりの
自殺的な攻撃)隊員の実像を見出しました。
緒戦勝利の舞台裏で、若人の命を兵器に仕立てた非人道的な戦術が採用され
たことに大きな衝撃を受けました。(以下、カッコ内は資料班注)
写真週報 三月十八日 第二百十二号昭和 17年(1942年)3月18日発行
「軍神(ぐんしん:軍人の手本として神として祀られた人)九柱（はしら：神や霊
などを数える助数詞）の偉勲
海軍省発表【昭和17年3月6日午後3時】昭和16年12月8日布哇（ハワイ）
海戦に於いて特殊潜航艇を以て布哇（ハワイ）軍港内に突入し偉功(いこう:優
れた手柄)を奏したる(成し遂げた)特別攻撃隊に対し聯合艦隊（連合艦隊：当時
の日本海軍の中核部隊）司令長官（当時は山本五十六）より感状（戦功をあげ
た者に贈られる賞状）を授与せられ ――後略――」
写真週報 四月二十二日 第二百十七号 昭和17年(1942年)4月22日発行
「軍神九柱の合同海軍葬
昭和16年12月8日未明、ハワイ真珠湾を強襲し、米太平洋艦隊主力を覆滅
（ふくめつ：ひっくり返し滅ぼす）して湾内深く沈み、再び還らない純忠無比
の軍神九柱の合同海軍葬は、月変わり命日の4月8日 ――中略―― 日比谷公園
葬場で執り行われた。」
（注）「写真週報」：内閣情報部（後に情報局）により編集、刊行された国内向
け週刊グラフ誌で創刊第1号＝昭和13年（1938年）2月16日号から第375号
＝昭和20年（1945年）7月11日号まで、最大で20万部発行されました。戦時下の
耐乏生活を多彩な特集で和らげ、国民の団結を高める目的があったといわれて
います。
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