所蔵品から● 資料ナンバー6193 慰問函(慰問箱)の話       資料班



 段ボールの箱があります。外側には青い色の文字。何に使われた箱か。中に は何が入っているか。興味はありませんか。

 箱の外側から見てみます。大きさは、270×210×120mm。箱の上にA4のコピ ー用紙を置くと、横幅は箱がはみ出しますが、縦はコピー用紙の方が長くなり ます。

 側面には、大きく「慰問函」と書かれています。「函」は昔の漢字です ね。「はこ」です。
左から右の横書きです。「函 問 慰」ではなく。箱の上面には、宛先が書き 込めるようになっています。そして、「軍事郵便」の文字。この箱のまま、戦 地へ慰問の品を送ることができるようになっています。宛先も書き込まれてい ないし、段ボールがつぶれたりもしていないので、未使用品と思われます。

 箱の中身は、
・滅菌ガーゼ(アクリノールガーゼ) 5枚入り。……昭和19年(1944年)8月製。  アクリノールは、外用殺菌消毒薬。現在も使われています。
・包帯(繃帯)……一反巻き(9メートル)
・傷薬(フオルム散)……アクリノールが成分の粉の薬。ホルム散。
・英語カード(36枚セット)……AからZまで26枚と、1から10まで10枚。 (昭和19年で「慰問に英語カード」はあり得ないとは思うのですが。)
・歯磨き粉(本当に粉です。ペーストではなく。)……ライオン。表面はライオンの精密イラスト。裏面には正しい歯の磨き方の説 明あり。(今回の資料の中で横書きが右から左なのは「ライオン」だけでした。)
・慰問文(手紙)「海軍の兵隊さんへ」……1944(昭和19)年3月の古賀峯一海軍元帥の殉職について書かれている。

 兵士に慰問の品として送られたものは、 日常で使う細かいもの(食料品・薬品・衣類など) お楽しみのもの(菓子・煙草・絵葉書など) 「慰問文」と呼ばれる手紙 などです。
この箱にも、食品なども入れて送る予定だったのかもしれません。

 ピースあいちウェブサイトの画像もご覧ください。
  http://www.peace-aichi.com/20100217imon-bako.pdf

 「収蔵品の紹介」のページです。
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