戦後80年に◆平和の価値を 
ピースあいち語り手の会   森下 規矩夫  

                                           
 

  87歳の私は、長い人生の中で最も印象に残っている出来事は、小学1・2年生の頃に体験した敗戦前後の様々なことです。

展覧会場の様子1

森下さんは戦争体験を語るとき画像を活用してお話します。その中の1枚。空襲の中、逃げまどった様子をパソコンで描きました。

 この期間は、まさに人生が凝縮された瞬間であり、それに勝る体験はその後一度もありません。例えば、空襲の際に防空壕へ避難し爆弾の恐怖を強いられたり、戦争末期と敗戦後の混乱期には食糧不足で飢えに苦しんだりした経験がありました。

 国家は、敗戦の教訓から平和主義を厳守し、その結果、戦争のない80年という歳月を維持できました。この間に日本経済はめざましい発展をし、国際社会においても平和の象徴としての地位を築きました。
 しかし、2015年に成立した安全保障法案により、その平和の防波堤が崩れ始めました。最近では、近隣諸国の軍拡に便乗して、軍事費の増額や敵基地攻撃を主張する意見が増えつつあります。特に、2023年には防衛予算が過去最高額に達し、再び戦争への道を進む可能性が懸念されています。
  現在の日本は民主主義国家であり、主権は国民にあります。多くの国民が戦争に反対する限り、国家は戦争を行うことはできません。戦争の真相を見極め、平和の価値を理解し、平和を維持するために積極的な姿勢を持つことが重要です。例をあげると、教育現場での平和教育の充実や、地域コミュニティでの平和活動の推進など、個々人の意識と行動が重要です。