10月19日、ピースあいち 来館者10万人突破!

運営委員  林 和子





 ピースあいちは2007年4月に開館。多くのボランティアで運営し、年に数回の企画展やイベントを開催してきました。開館10年目の2017年には6万人を超え、開館17年目の2024年10月19日に10万人の来館者を迎えることができました。

 10万人目の方は、千種区にお住いの鈴木理恵さんとエドモンド・チャンさんご夫妻でした。「数日前にテレビでピースあいちのことを知って、来館しました。展示資料が充実していて、中には胸が張り裂けるようなものもありますが…。次に伝えていく大切なことだと思います。子どもにもわかりやすいようカナをふってあったりもします」
 「展示の英語版はよくわかりました。私のような外国人がたくさん来てくれるといいですね」と。

 宮原館長は「2007年に開館し、今年17年目。毎年5800人の方をお迎えしてきました。コロナの時は来館者も減りましたが、ここ2、3年は来館者も増えてきています。今日10万人を達成することができました」と語り、記念品として、銅板の千羽鶴、10周年記念誌、常設展示英語版冊子とオリジナル缶バッチをプレゼントしました。その中の一つ「銅板の千羽鶴」は次のような由来です。


銅板の折り鶴
 2002年2月、広島の平和記念公園にある「原爆の子の像」前に供えられていた5万羽の千羽鶴が不審火で燃やされました。それを知った京都府板金工業組合の青年部の人たちが、「燃えにくい銅板製の折り鶴をつくって広島に送ろう」とつくった千羽の鶴を平和記念公園に寄贈しました。2003年には長崎原爆資料館に、2010年には沖縄県宜野湾市に寄贈しました。
 銅板製折り鶴の折り方は全国の建築板金業者に広まりました。
 この折り鶴は、名古屋市西区の鈴木板金の鈴木準一さん作品で、ピースあいちにご寄贈いただいた中の一つです。


 この日を迎えるにあたって、ピースあいち10周年記念誌を繰ってみました。前館長の野間美喜子さんは、「開館10年にあたって」のなかで、
「何もかも初めての経験で右往左往することも多かったが、“戦争から平和を学ぶ”という市民手作りの実験的試みは、確かに多くの人の心に届いたと思う。予想を超える多くの来館者があり、10年で6万人を超えた。展示の前で、1枚の写真に涙される方も、何時間もかけて熱心にメモをしながら観ていかれる方もある。子どもたちは「戦争は兵隊だけが死ぬのではなくて、子どもも死ぬということがわかりました。戦争は絶対してはいけないと思います」と、日ごろの疲れが吹っ飛ぶような感想文を残してくれたりする。昨今の日本にあって、「ピースあいち」は確かにいま必要とされる施設なのだという手応えを感じる日々でもあった。」
と、記しています
 今年4月、東邦高校の生徒が始めた運動が実り、「なごや平和の日」が制定されました。10月には、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)がノーベル平和賞を受賞しました。来年は戦後80年。ピースあいちの役割がますます大きくなってきているように思います。私たちボランティアも、新たな気持ちでみなさんをお迎えしたいと思います。