ピースあいちでボランティアインターンシップ
名古屋市立大学の「ボランティアインターンシップinピースあいち」に今年は6人の学生が応募。6月23日から9月14日の間に計10回、ピースあいちでのボランティアに参加してくださいました。
ピースあいちでの研修目標は以下です。
① 戦争と平和の資料館ピースあいちの平和理念について学ぶ。
② 戦争記憶の継承、そして平和交流・対話の場として、ピースあいちが果たしてきた社会機能について学ぶ。
③ 研修を通じ、平和な社会実現のために必要な異世代協働の価値と方法について学ぶ。
来館者の受付、イベントの会場設営、資料の準備、戦争体験者のお話を聞く、企画展の設営や撤収など、ピースあいちのボランティアが日々行っている様々な業務をいっしょにすすめていただきました。
研修に参加されたみなさんから感想をいただきました。
大矢 莉子(2年)
計10回のピースあいちでのボランティアは、私にとって非常に貴重な経験となりました。
私がボランティアに参加した中で特に印象に残っている点があります。それは、ピースあいちに来館される方は年配の方だけではなく、学生の方や家族連れの方のような比較的若い人も多くいたことです。予想と違っていてかなり驚きました。
宿題のために来館された学生の方が多かったですが、自分の子どもの平和教育のために訪れた人もいました。ある方は、自分の息子が飛行機が好きなので、それに関する負の歴史も知ってほしいと考えピースあいちに来館されたそうです。
私はこれを聞いて、若者の戦争に対する意識がこれから大きく変わっていくのではないかと思いました。また、ただ平和を願うだけではなく自分から平和に歩みよっていくことも重要だと知りました。
私は今まで学校でしか戦争や平和について学んできませんでした。しかし、今回自発的にこのボランティアへの参加を決め、運営に関わるのと同時に自分自身も学ぶことができました。この経験を通じて視野を広げることができたのではないかと思います。短い間でしたが、大変お世話になりました。
清水 桜子(1年)
私は今回、ピースあいちで10回ボランティアに参加させていただきました。ボランティア活動に参加したのは初めてで、最初はとても緊張していましたが、ボランティアの方々が優しく声をかけてくださったり、作業内容を分かりやすく説明してくださったりして、安心して楽しくボランティアに参加できるようになりました。展示の準備・片付けや戦争体験の語り継ぎの運営では、人と協力することの大切さを実感し、またそれによってより達成感を得られると感じました。様々な活動を通して、他の名市大ボランティアの方とも仲良くなれて嬉しかったです。
ピースあいちではたくさんの展示を見たり、戦争体験の語り継ぎを聞いたりしました。特に二階の常設展の、戦争の遺品や当時の生活を再現した部屋がとても印象的で、実際に見ることで、戦争は本当に起こっていたものなのだと直に心に刺さりました。また、空襲の写真を見て、名古屋空襲を体験された方と一対一で話すというとても貴重な経験もさせていただきました。その方や語り継ぎ手の方のお話を聞くと、戦争は絶対にしてはいけないのだというメッセージがとても強く伝わってきて、私も改めてそう思うとともに、今の平和を守るために私も努力しないといけないという気持ちになりました。
ボランティアを通して、私は、「知る」ということは本当に大切なのだと思いました。戦争についての展示を見たり、語り継ぎを聞いたりして今までよりもっと戦争について知ったからこそ、戦争をもっと重く受け止めるようになったと思います。また、日常生活や身の回りの小さなことに感謝するようになり、私自身の価値観も変わりました。そして、当たり前と思っていたことに感謝することも平和へつながるのではないかと思いました。
ピースあいちでのボランティアでは戦争についていろいろなことを考えさせられ、また私が成長するきっかけになったのではないかと思いました。これからも私なりの方法で戦争や平和に向き合っていきたいです。貴重な体験をさせていただき、本当にありがとうございました。
上野 朱音(1年)
私はピースあいちでの10回のインターンシップボランティアを通して、多くのことを学びました。一口にボランティアと言っても、運営をする上で必要な業務が想像以上に多くて驚きました。表から見てわかるお客さんへの対応だけでなく、館内の掃除や水やり、パンフレット作り、イベント準備・運営など、表からは見えない部分の仕事を知りました。
また、戦争について以前よりも詳しく知ることができたと思います。2階の常設展示では、当時実際に使われていた物や、証言、資料、写真などを見ました。時間があるときには、戦争関連の漫画も読みました。3階の特別展示であるマンガと戦争展に関連する作品もあり、とても勉強になりました。夏休みの期間には、夏の戦争体験を聴くシリーズに3回ほど出席し、当時の実体験や戦争に纏わるお話などを聴きました。当時の話を直接聴いたことはあまりなかったので、とても貴重な機会となりました。
私がボランティアをして良かったと思うのは、普段あまり関わらないような世代の方々と交流することができたということです。下は子どもから上はお年寄りまで、幅広い年代の人と関わりました。私は人と話すことが苦手な方なのですが、ボランティア中、人と話すのが楽しいと感じました。
私はボランティアを通して、今まで戦争はどこか他人事のように思っていましたが、身近なこととして捉えることができるようになりました。また、戦争の記憶と記録はこれからの若い世代に継承されるべきだし、自分もできることをしていかないといけないと思いました。機会があればまたボランティアができたらいいなと思います。今までありがとうございました。
小林 愛実(3年)
ピースあいちでの体験を通じて、戦争に関する個々の人生や家族に焦点を当てて知ることができたのは、とても興味深い経験でした。戦争という大きな出来事の背後には、必ず一人一人の人生があるということを実感しました。それらの人々の思いや葛藤に触れることは、戦争という出来事を教科書の上での話ではなく自分自身に起こるかもしれない話であると、人々に戦争を自分事に捉えさせることができると考えます。このことは戦争の実態をより深く理解し、平和を実現する手助けになると感じました。また、語り手や語り継ぎ手の会の運営に携われたことは貴重な体験であり、直接話し手の方とお話しする機会も頂き、そのような歴史を後世に伝えていく重要性を改めて実感しました。 さらに、夏休みという時期でもあったため、子どもたちと関わる機会がありました。戦争をしてはいけないと頭では理解していても、実際に何か行動を起こすのは難しいと感じていました。しかし、このピースあいちでの経験を通じて、自分もその心を次の世代に伝えていく一助になれていたら良いなと感じます。私自身関心を高め学習することはもちろん、子どもたちに戦争の恐ろしさや平和の大切さを伝えることで、少しでも未来に貢献できたらと思いました。
武 穂愛(2年)
職場体験前のピースあいちのイメージは平和、反戦をうたう文が並んだ歴史の教科書のような内容が時系列順に並べられた硬い雰囲気のところでした。
しかし実際に行って見ると窓が大きく光に溢れた明るい場所で、展示内容も実物資料を中心とした取っ付きやすいものでした。小学生や幼稚園児でもランドセルや筆箱など今の自分と繋がる資料を見て興味を引かれているようでした。
館内での体験を重視していて一階部分でのイベントも多く開催しているところも初めてのひとが入るきっかけになるところだと思いました。そして、数日お客さんの年齢などを見ていると学校の平和学習できた学生の方や親子連れの方が予想よりも来ていて驚いたことを覚えています。
私のイメージとして戦争を通した平和学習というのは戦争が過去のものになればなるほど熱が冷めていき、次第に平和意識が薄れていってしまうものでした。そのためこんなにも若い世代の人が来ているというのにちょっと嬉しくなっていくと同時に教師や親御さんの伝えていこうという思いと努力を感じました。
中野 実音(2年)
この実習を通して、自分では今まで戦争について学んできたつもりでしたが、それ以上に、教科書などで得る知識だけでは補えない、実物を見たり聞いたり、体験者から直接聞いたりすることでしか得られないものがたくさんあるのだと知りました。
私は名古屋であった大きな空襲やそれによる被害をピースあいちに来て初めて知り、自分の身近なところでも戦争が起きていたことを知って、戦争をより身近に捉えることができるようになったと同時に、戦争を二度と起こしてはいけないという意識を以前より強く持てるようになりました。
また、ボランティアに関しては、学校外で行うボランティアは初めてで、ピースあいちも初めて訪れる場所で、とても緊張していましたが、他のボランティアの方々がとても親切で温かく迎え入れてくださり、最後まで楽しくボランティアに参加することができました。
3階の企画展示を撤去する作業に参加させてもらったときに、力仕事が多く大変な作業なのに、誰一人嫌な顔をしていたり、面倒くさがっている人がいないのがとても印象的で、ピースあいちが愛されていることを直接感じられました。私は、この光景はボランティアの皆さんがピースあいちを想う気持ちが一致しているからこそ見られるものなのだと思いました。
短い期間でのボランティアでしたが、お客さんからもボランティアの方々からも愛されていることを実感し、そんなピースあいちだからこそ、戦争の記憶と記録を継承できるのだなと思いました。