ピースあいち訪問記◆一つ一つの資料の背景にある物語の重み
松本 梓(カナダ在住)

                                           



 

 名古屋の「戦争と平和の資料館 ピースあいち」を訪れて、私は深い感動と共に平和の大切さについて改めて考えさせられました。この資料館は、戦争の記憶を風化させることなく、後世に伝える重要な役割を果たしていると強く感じました。
 私はフランスに5年滞在、今はカナダに在住して20年になります。海外に居ると「世界の中の日本」を考えさせられる機会が多く、自然と太平洋戦争や平和についても興味を持ちました。夏に日本に帰国する度に新聞で「ピースあいち」の記事を拝見し、今回、念願の来館をさせていただきました。

展覧会場の様子1

「ピースあいち」を見学する松本さん

 入館するとまず目に飛び込んできたのは、戦争に関する数々の貴重な資料や写真です。特に、太平洋戦争中の日本の状況や、戦争の影響を受けた人々の生活に関する展示が印象的でした。一枚一枚の写真や一つ一つの資料が、それぞれの背景にある物語を静かに物語っており、その重みを感じずにはいられませんでした。
 また、戦争を経験した方々の証言も展示されており、その生々しい体験談には胸を打たれました。証言者の方々が勇気を持って自らの経験を語り、それを後世に伝える努力をしていることに深い敬意を抱きました。

 資料館の展示を見終わった後、改めて平和の大切さを痛感しました。そして、次世代に平和な世界を引き継ぐためには、日本、そして世界で起こっている戦争の歴史を学び、その教訓を心に刻むことが必要不可欠だと強く思いました。この貴重な体験を通じて、未来に向けて何ができるかを考えるきっかけとなりました。
 そして、資料館のスタッフの皆様には、丁寧な説明や案内をしていただき感謝しています。皆様の熱意と情熱が、この資料館の運営を支えているのだと感じました。今後も多くの人々が訪れ、戦争と平和について学ぶ場として、この資料館が続いていくことを心から願っています。