はじまるよ! ピースあいちの国際交流◆
常設展示英語版公開記念交流会
「TRY&TALK それぞれが考える戦争と平和」
Exchange Meeting “TRY & TALK” から常設展の可能性をさぐる
ボランティア 高橋 よしの
3月9日に常設展示が英語でも読めるようになりました。
パネルやキャプションのQRコードを読み取り、スマートフォンやアイパッドの画面で英語を読む。一見すると常設展は何も変わっていません。パネルの端っこに小さいQRコードがついている以外は。でもこのシステムの常設展・英語版には大きな可能性が秘められているようです。公開日に来館した34名の中には高校生、大学生が多いのが印象的でした。英語の常設展を体験し、どんなことを感じたのでしょうか。交流会の内容を一部紹介します。
■高校生の発言
日本語でみてもわからない表現があったが、調べて納得した。英語の方がわかりやすい。英語で読むことで、また違った受け取りができた。英語を介して客観的に知ることができ、これは日本人にとってもいいと思った。
歴史はテストに出るという範囲でしか学んでいなかった。本物の声(戦争体験者の証言)も、日本のことも、名古屋のことも(展示には)書いてあった。名古屋のことも知り、そして、英語で学ぶ意味を考えた。
(展示には)日本がした悪いことも書いてあって、学びになった。英語は点数を取るために勉強してきたが、コミュニティを広げるために勉強したいと思った。
■大学生の発言
平和について⇒戦争⇒愛知と言葉をかえていくと、範囲を狭めて考えられて、大学生の私も自分事になる。日本はどうだったの?という問いに、どういう言葉(英語)を使うといいのか知る機会になり、戦争・平和について話すハードルが下がる素敵な経験だった。今日、展示を見るのは貴重な機会になった、また来たい。
■この英語の最終チェックをなさったLouise Haynes さん
「常設展示の英語のチェックをしてピースあいちの存在とそのエネルギーに感銘を受けると同時に、この歴史(15年戦争)を知らなかったと思った。名古屋に来て32年いろんなところへ行ったが、この展示を通して考えがガラッと変わった。ピースあいちは戦争を経験した人の思いを背負って、歴史を担っている。もう二度と、戦争が起こってはいけないと。そして、なぜ戦争が起きたのか、どうしたらいいのかを議論することはとても重要な機会だと思う。Very important project. Thank you.」
■次は参加者から寄せられた感想・アンケートです。
英語を介して日本の歴史、くらし、世界の歴史を学ぶことで日本人としての主体から少し離れて、違った目線から知ることができる点がいいなと思いました。細かい解説まで全部訳されていて感動しました。この充実した展示をもっと知ってもらう必要があると強く感じました。
国際交流のボランティアをしているので、戦争と平和をテーマにした展示があり、英語版になっているのは、ことばの面で大変ありがたいです。できれば他の言語にも挑戦してもらえたら嬉しいです。高校生や大学生が参加しているのがすばらしい。平和や戦争について考える拠点となるようより充実を望みます。わかりやすい日本語・英語が必要という意見に賛同します。
英訳が付いたことでより広く様々な背景の方々にも開かれたような気がします。
図表・年表などスマホの画面ではぼけてしまって読めないものもいくつかありました。手紙の文章や教育勅語なども訳があるといいなと思いました。ウエブサイトなどでも見れるとより多くの人たちにとってよい機会になると思いました。ピースあいち語訳集、ほしいです。
なぜ英語で訳すのかとはじめは思っていました。国によって同じ戦争でも提示する戦争の資料は違って、どうしても自国で起こったことを中心にされる。いろんな国の人が他の国のこのような戦争に関する施設をみることが戦争をなくすことにつながる第一歩になると気づきました。海外へ留学した時に他国の戦争に関する資料館に行ってみようと思いました。
私は英語が得意でなかったので気づけなかったけど、日本語より英語の方がわかりやすかったなどの意見を聞いて、新たな発見がありました。
英語体験は参加者に、それぞれの思いを抱かせました。戦争や空襲について英語で読むことで発見があり、認識を新たにし、どうしたら相手とコミュニケーションが取れるのかと考えていく姿勢を、高校生や大学生の発言からうかがえます。英語で読めるようにした可能性を、新たに開いてもらったように思います。
いろんな国・地域の方々に名古屋の空襲や15年戦争について知ってもらいたいと取り組んだ英語の翻訳。「正確でやさしい」英語になったかどうかもどうぞ常設展でごらんいただければうれしいです。ピースあいち常設展は多くの方にご覧いただきながら、可能性を見つけ、育ててもらっています。ますます、多くの方に国や地域を越えて訪れていただけるよう努力します。どうぞよろしくおねがいします。