語り手の会例会・2023年
運営委員 林 和子
梅雨の間のとても暑い日でしたが、6月21日(日)にピースあいち語り手の会の例会が開催されました。今回は語り継ぎの活動を始めているボランティアのみなさんから「語り手の方のお話、想いをお聴きしたい。交流できたら…」という要望もあり、語り手12人、語り継ぎ手(リボン会員)10人、スタッフ等9人計31人が参加しました。
みんなで記念撮影
「今年も例会を開催でき、みなさんとお会いできてとてもうれしいです。日頃ご協力いただいている語り派遣は、学校や団体等の“体験内容”の要望に合わせ、お話しいただいている。最近は、語り継ぎの方にお話しいただくことも増えている。また、語り手のお話を聴いて、レポートにまとめたり、絵など創作活動で表現しようと高校生などの新たな平和教育とつながった活動も始まっている」と、坂井栄子代表のあいさつの後、1年間の活動報告とこれからの取り組みについて、吉岡由紀夫事務局長からお話がありました。
2022年度の語り事業は延べ61回(派遣16回、ピース来館15回、ピースあいちでの夏の戦争体験を聞く会11回、県・市資料館での語り8回、平和学習支援事11回)、3419人の方に聴いていただきました。今年度も8月1日からの「戦争体験を聴くシリーズ」など準備が始まっています。
語り手のみなさんからは、
「年1回のこの会。今日は何としてもと、体調を整え参加しました。ウクライナの事など自分が生きている間にこんなことがおこるとは思ってもみなかった。」
「先日行われた名古屋空襲慰霊の日制定のための集会に参加した。高校生が頑張っていることを知り、有意義だった。」
「昨年この会で、『体験を話すのに何か伝える手段があるといいな』と相談したら、絵をかいて下さる方を紹介していただき、私の体験をこんな素敵な6枚の絵にしてくださいました。今これを活用して「語り」をしています。」
「子どもが五感で感じた戦争体験を話している。ピースあいちには素晴らしいピアノがある。平和のコンサートなども企画しては?」
「10歳の時満州からたった一人で引き上げ、戦争孤児、浮浪児そして犯罪予備軍と言われる中で生きてきた。いま、日本が戦争のできる国になっていく時代。何としても世界平和をと、高年大学で国際情勢―いろんな国の歴史、伝統、かかえている様々な課題など学んでいる。」
「阿智の満蒙開拓平和記念館で開催されていた満州からの引揚者の様子を描いた絵画展を観に行った。描かれた人々の中に私もいたんだ、と。こんな体験は2度とあってはいけない。」
「気持ちは元気ですが、何せ身体は年齢そのもの。ハンカチに自分の想いを書いて歩く、そんなデモをやりたい!残念だけど今私にはその体力がない。若い方にぜひやってほしいと思う。7月29日にここで学生さんにお話をすることになっています。」
「語りのチラシにぜひ話す人の年齢を入れてほしい。ああ、頑張っているんだな!と励みになります。」
「集団疎開をしていた時、家に帰りたいと願いみんなで折っていた鶴。私が折った鶴が昨年まわりまわって私のところに戻ってきた。あの頃の友だちは…と思う。」
語り継ぎ手のみなさんからは
「中学生の時、ピースあいちで語り手・語り継ぎ手のお話を聞いた。私もと思い参加している。この夏、サマーセミナーで初めて語り継ぎやります。」
「体験者の方と交流できて良かった。生の声をきいて深みが増しました。」
「語り継ぎは難しい。体験者の方は一日も長く語ってほしい。」
「戦争はダメ、という体験者のみなさんの想いを少しでも伝えたい。」
など、発言がありました。
また、今回欠席された方々からは、返信ハガキにお元気で活躍されている近況報告を寄せていただきました。
休憩時間や終了後には、あちこちで交流の輪ができ、ピースあいちの「語り・語り継ぎ活動」の豊かさを感じさせる例会でした。