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2023年度語り継ぎ手の会(リボン)総会を終えて ―語り継ぎを始めませんかー
ピースあいち語り継ぎ手の会(リボン)代表  中村 桂子






 「ただ今から 2023年度ピースあいち語り継ぎ手の会(リボン)の総会を始めます」
と、爽やかな司会の方の響きで、2023年5月21日、2023年度ピースあいち語り継ぎ手の(リボン)の総会がスタートしました。

 冒頭の代表挨拶で、私は会員の皆さんに、昨年度試演(語り継ぎのシナリオ作成後会員の前で語り継ぎを行う)・実演(試演後に一般の人へ語り継ぎを行う)に積極的に取り組んでいただいたことへ敬意の気持ちをお伝えしました。そして、私たちのこの「語り継ぎをしていこう」という強い意思が、多くの人たち、子どもたちに「戦争の悲惨さと平和の大切さ」を伝えることができるとお話させていただきました。
 戦争体験者の方々の話を伝えていくことが平和な世の中をつくる第一歩です。本年度も「語り継ぎ活動」を通して私たちの力を合わせて「平和への第一歩」を歩み出しましょう。


 続いて、ピースあいちを代表して語り手の会事務局長でもある副館長の吉岡さんから「語り手の会は発足当時80名以上いらっしゃったのですが、現在は20名ほど」との報告があり、「語り継ぎ手のみなさんの役割は非常に大きいです」のお言葉もいただき、参加していた私たち会員が今後取り組んでいかなければならない課題=語り継ぎ手の育成を改めて認識することができました。

 議事の冒頭では、会の発足2017年度以来事務局長としてご尽力していただいた河原忠弘さんが退任され、新しい事務局長には平岩潤さんが就任されることを報告させていただきました。私は代表として「河原さん、長い間ご苦労様でした。ありがとうございます。平岩さん、よろしくお願いいたします」と今の思いを素直にお伝えしました。
 その後、2022年度の活動報告 会員アンケート結果報告 2023年度の活動計画と手際良い司会の方の運びでスムーズに進めることができました。
 パワーポイントによる2022年度の活動報告は、会員の皆さんが各自試演・実演と活躍されるシーンが次々に提示され、視聴している会員の皆さんから「緊張していたのを思い出しました」「頑張って試演を行い、実演まで取り組むことができ良かったです」などのつぶやきが聞こえてきました。また、報告をされている方から「編集作業をしていて、皆さんの語り継ぎへの熱い思いを知ることができ良かったです。例会の交流会では皆さんとてもいいことを話されていて感動しました」の感想に、私は胸に込み上げるものを感じ、皆さんに拍手を送りたくなりました。

 2023年度の活動計画は、会員の皆様からのアンケート結果を踏まえて ①例会の充実 ②実演の機会拡充 を柱にしました。今後実施に向けて検討していく事項として、「語り手の会」との交流、他団体との交流、新たな語り継ぎ手を増やす取り組み、会員向け通信の発行などが出されました。
 平岩新事務局長から「事務局の仕事は、語り継ぎ活動のお手伝いをするのが基本。何かあれば気楽にご相談お申しください」の優しい言葉があり、頼もしさを感じました。

 会員の皆さんからの近況の報告・懇談の冒頭で、前事務局長の河原さんより5年間の事務局長としての活動を振り返りこんなメッセージを頂きました。
 「語り継ぎ手の皆さん、 ありがとう。頑張ってください」「2009年に語り手の会が発足した当時、語り手のみなさんに自分の戦争体験を語り継いでもらいたいかとお尋ねしたところ、ほぼ全員が語り継いでもらいたいという回答でした。今、ピースあいちの語り継ぎ手の活動は、注目・評価されています。リボンの皆さんに敬意を表します」
 河原さんご自身は今後、膨大な戦時下の「町内回覧板の資料」を整理して「戦時下の暮らし」をテーマにして語っていきたいと、新たな目標についても生き生きと話されていました。その表情がとても印象的でした。

 「広島原爆 私とヒロシマ」のテーマで語り継ぎをされている方からは「G7に怒りを覚える。広島の地で、武器をよこせと訴えている大統領がいる!どうして武器を捨てて終わらせることができないのか」の訴えがあり、その迫力に会場が一瞬シーンとなり、私も同感の思いを伝えました。
 紙面の都合上、会員の皆さんからの近況報告をすべてお伝えできませんが、会員の皆さんのお一人お一人の思いを話していただき「話し合うこと」の大切さをしみじみ感じました。
 皆さん 語り継ぎを始めませんか。