ピースあいち訪問記◆遠い記憶にしてはいけないこと
神奈川県在住  世川 晶子






 私は戦争で祖父を亡くしています。幼い頃は祖母から戦争中の話や、台湾から命がけで引き上げた苦労話などを聞いていましたが、晩年の祖母は辛い記憶だった戦争の話をしなくなり、私から話題にしても忘れたと拒み、少し遠い記憶となりつつありました。

 ピースあいちの第二展示の「戦争の全体像」では日本の攻め入った地図があります。南方で戦死した祖父のことを考えていました。
 館長の宮原さんに、思わず祖父のことをお話させていただくと、戦地での食糧事情や、病気や飢餓で亡くなる人が多いことなど、ひとことひとこと言葉を選び戦争の悲惨さ、兵士の無念な思いなど語り教えていただきました。
 資料や映像を見ることで戦争は身近で起こっていたこと、遠い記憶にしてはいけないことだと改めて思いました。

 私は帰宅後、横浜や川崎の空襲を初めて調べました。自分の身近なところの事実を知ることは大切だと感じたからです。名古屋の地に名古屋の空襲についてまとめてあるこのピースあいちは大きな役割を担っていると思います。今回の見学をきっかけにもっと平和について考えていきたいと思います。
 宮原館長、スタッフの皆様、岡田彩花さん、貴重な機会を作っていただきありがとうございました。