愛知県・名古屋市平和学習支援事業に取り組んで
運営委員  吉岡 由紀夫





 ピースあいちは,愛知県・名古屋市から平和学習支援事業の委託を2009年から受けており13年目(1昨年度はコロナ禍のため実施せず)を迎えました。本年度も、語り手・語り継ぎ手が県内11校の小学校・中学校へ出向き、戦争体験のお話をしてきました。参加した児童・生徒は1021名、派遣した語り手(語り継ぎ手も含む)は11名でした。語り手、教師,子どもたちからは次のような感想を寄せていただきました。

<語り手の感想>
○質問も5、6点あり、内容について理解して下さっている感がありました。戦争についての私の考えや戦後の不安定な状態が何年続いたのかなど、語り手の意識を問うものや戦争中より戦後の状況を問うものがあり、戦争と平和の様子に思いを寄せたものと考えられました。(92歳)
○思ったよりずっと聞いてくれる感じがした。自分の語り継ぎは、全体としては言いたかったことは、おおむね言えましたし、満足。もっと練習して、時間内にきちんとすべてがはまるようにすることが課題です。(語り継ぎ手)
○生徒たちはよく聞いてくれていたと思うし、理解もできていたと思う。平和学習を開いていただく学校に喜びと感謝です。(91歳)


<子どもたちの感想>
〇小・中学校で日本の戦争の話を聞いたときは、ブラジル人としてびっくりしました。今まで習った戦争の話よりも半田の空襲についてもっとびっくりしました。そしてとても勉強になりました。(中3)
〇「戦争は何も得をしない、損するばかりだ」と母から聞いていました。話を聞いて本当にその通りだと思いました。(小6)
〇今日の話を聞いて、一人ひとりの戦争体験を語り継ぐ事が大事なのがよくわかった。原子爆弾の恐ろしさがとてもよくわかった。(中1)

<教師の感想>
〇6年生の社会科で、日本国憲法や戦争を含めた歴史、そして国際について学びます。また市では代表児童が広島へ行き、平和について研修する機会もあります。そしてウクライナ侵攻をはじめとする現在の国際情勢を考慮して,ぜひ未来を担う子どもたちに平和について考え、行動することを「自分事」として捉えてほしいと願い、この事業に申し込みました。子どもたちは「ホンモノ」の声を真剣に聞きメモをとり,多くのことを考えたと思います。この学びを次につなげていきます。(小学校教師)
〇いろんな形での戦争の記憶・記録に触れてきましたが、「人の口から語る」ことの意義,重みがあると改めて感じました。生の言葉の温度というのは代えのきかない手段だと思います。(中学校教師)


 平和支援事業の取り組みで日本が世界の国々と戦争していたことについて、子どもたちには興味、関心を持ってもらい、戦争をしていた事実を理解する一助になっています。戦争は多くの人の尊い命を奪い、あらゆるものを破壊する残酷なものであることを理解し考えるきっかけになったと思います。これからも平和支援事業が充実、継続した取り組みになるようにしたいものです。