選択授業「平和探究プロジェクト」の取り組み(続)
クラーク記念国際高等学校名古屋キャンパス 横山 泰章
本校の授業では、生徒が興味や関心を持ったことを主体的に学習できる「PBL」(問題解決型学習)を導入しています。今回は選択授業「平和探究プロジェクト」を紹介したいと思います。
前半の授業では、ピースあいちの見学や平和公園に遺る戦争のつめ痕をめぐるウォーキングツアーに参加したり(メルマガ151号で既報)、愛知・名古屋戦争に関する資料館の見学やボランティアによる語り継ぎを聞いたりすることで、戦争に関する知識を深めてきました。
そして今回11月21日、後半の授業の目玉である「戦争体験者へのインタビュー」をピースあいちにご協力いただき実施することができました。
木下信三さんと
橋本克己さんと
望月菊枝さんと
インタビューに応じていただけたのは、学童疎開を体験された木下信三様、満洲からの引揚げを経験された橋本克巳様、空襲や学徒動員を体験された望月菊枝様の3名。
戦争体験者お一人に対して生徒6人程度(インタビュアー3人、速記録1人、ビデオカメラ1人、写真1人の役割分担)のグループで1時間ほどお話を聞かせていただきました。
今回のインタビューにあたって生徒たちはオーラル・ヒストリーの手法を学び、親族のオーラル・ヒストリーを作成する夏休みの宿題をこなし、予行練習をしていました。またグループのメンバーで話し合い、事前に質問項目を用意していました。
当日はどのグループも、用意した質問項目を聞ききれないぐらい話が盛り上がりました。高校生にとって戦争の「生」の声を「自ら」聞くことができる貴重な機会であったし、戦争体験者の方々にとっても高校生が興味をもっていることを嬉しく思い、普段は話さないような話までしていただけたようでした。手前味噌ではありますが「高校生による戦争体験者へのインタビュー」の意義を感じました。
さて現在、生徒は録音したインタビューを文字に書き起こす作業を進めています。歴史研究の史料に耐え得るオーラル・ヒストリーを目指して編集中です。
年末にはこのオーラル・ヒストリーをもとに、「高校生による高校生への語り継ぎ」を予定しています。今後の展望として、来年中に市民向けの語り継ぎ活動も行いたいと考えています。
読者のみなさま、お見かけの際はぜひお立ち寄りいただければ幸いです。