「ぞうれっしゃがやってきた」
三原 裕子(猪子石小学校6年生保護者)
三原さんの娘さんとその同級生
10月初旬、猪子石小学校に通う我が娘が、「今年の学習発表会で私たち6年生は『ぞうれっしゃがやってきた』の劇をやるよ。わたし、園長先生の役になったよ!」と張り切って話してくれました。
どこかで聞いたことあるタイトルだ、と思った私は、以前、ピースあいちで象と園長先生のパネル写真を見たことを思い出し、せっかくなら、発表会前にもっと学習を深めてみたら?と提案し、娘と娘の同級生を連れてピースあいちを訪れました。
ガイドの丸山さんのお話を聞く
ちょうど『戦争の中の子どもたち』『戦争と動物たち』展の開催期間中だったので、展示も充実しており、ガイドの丸山さんが、なんと!原作者の小出さんのご友人でいらっしゃり、展示にはないエピソードも交えてとてもリアルに話をしてくださいました。
おかげで、子どもたちも、この話が絵本の中の遠い昔の話ではなく、そう遠くない、自分たちのおじいちゃん世代の、“本当にあった話”である実感が湧いたようです。
学習発表会当日は30分という限られた発表時間でしたが、授業で学習した“戦争”について、また、今のロシアのウクライナ侵攻について、子どもたちが自分自身の考えや想いを作文にしたものを読み上げる場面や、最後の合唱部分を群読する場面など、脚本を編集した6年生担任の先生方の工夫がたくさん見られ、最終学年らしい立派な発表でした。
「この劇を通じて当時の子どもたちの悲しみを知りました。でも、みんなで考えて工夫をすれば戦争によって生み出された悲しみは喜びに変えることができます。普段から、友だちと一緒に考え、一人で悩んだりすることなく協力することが大切」と発表した子の表情には、明るい希望が溢れていて、私たち親世代は、この子たちのこの決意を踏みにじらない社会を残していかなければいけないと、襟を正される思いがしました。
今回の学校での取り組みで、自分たちの住む街でおきた実際の話『ぞうれっしゃ』を題材にして、戦争を他人事ではなくより自分ごととする学習の機会を与えてくださった担任の先生方に感謝するとともに、貴重な資料をたくさん置いてくださっているピースあいちさんのありがたみを、改めて実感しました。