子ども企画展「戦争の中の子どもたち 戦争と動物たち」が始まります。
ボランティア  辻井 麻伽



                                           
 

 10月4日から今年も、子ども企画展「戦争の中の子どもたち 戦争と動物たち」が始まります。そして、特別展示では「戦争中のごちそう~何を食べていたの?~」が展示されます。
 今回、特別展示として、戦争中の食事にした理由は、大きく分けて2つあります。

展覧会場の様子1

 1つ目は、大学時代、私は卒業論文で『戦時下における遊びと食事―太平洋戦争中の人々の暮らし―』と題して戦争中の遊びと食事について研究し、より多くの方に知ってほしいという想いがあるからです。
 研究していくと、当時の食事の厳しさに改めて驚かされました。小・中・高と授業で戦争について学んできましたが、まだまだ知らないことが多いということを痛感しました。特に印象に残っているのが、ある方のお話です。
 食べ物が少なかったため、反芻(はんすう=一度、飲みこんだ食べ物を再び口へ戻して噛むこと)していたというエピソードです。食べ物を飲み込むのがもったいなく、長い間、口の中で噛み残していたそうです。しかし、いつの間にか飲み込んでしまうと、いったん胃袋に収まったものが逆流するようになったそうです。
 このエピソードを知った時、衝撃を受けて、まずは、戦争中の食事に焦点をあてて伝えるべきだと実感しました。

 

 2つ目は、日常生活でも身近な食事に焦点をあてることで、子どもにとっても、現代の食事と戦争中の食事を比較しやすく、より戦争について考えるきっかけになるのではないかと思ったからです。
 特別展の内容を簡単にご紹介します。

 

 戦争が始まり、物が足りなくなっていきました。そこで、配給制・切符制が始まりました。初めは砂糖とマッチの切符制から、戦争が激しくなるにつれて、衣料品、野菜までもが配給・切符制になりました。生活で使う物、食べ物がすべて制限されました。
 その配給も次第に欠配や遅配が続くようになり、当てにできなくなりました。自由に物が手に入らなくなり、人々はさまざまな工夫をして生活していました。
 どのような工夫をし、どのような食べ物を食べ、どのように暮らしていたのか、イラストや写真付きでご紹介します。また、戦争を体験された方々の体験談も展示します。当時、何を食べていたのでしょうか。

 この子ども展をきっかけに、戦争について知り、学んでほしいと思います。また、今、好きな物を自由に選んで買えるのを改めてありがたいことだと実感し、平和の大切さも実感していただけると嬉しいです。