「語り継ぎ手の会」総会が開催されました
ボランティア 近藤 世津子
ピースあいちでは、戦争の悲惨な体験を語る「語り部」としての活動が、体験者である「語り手」の方々によって行われてきました。それを引き継ぐ形で「語り継ぎ」が始まり、2017年には「語り継ぎ手の会(リボン)」を結成、ピースあいちとして「語り継ぎ」が行われています。
4月17日、小雨の降る中、「語り継ぎ手の会」総会が開催されました。会場は、東区にあるレトロ感あふれる建物の「日本陶磁器センター」です。総会には、オンラインでの参加3名を含め、会員・事務局合わせ総勢35名が出席、コロナ対策を取り、広めの会場での開催となりました。
中村代表、宮原館長の挨拶に続き、熊本さんがパワーポイントを用いて、これまでの活動を報告。その中では、これまで活動を担ってきた会員の方々の活動に加え、「ピースあいち戦後75年プロジェクト」の一環である「戦争体験の語り継ぎ手ボランティア」のメンバーが、研修を経て少しずつ「語り継ぎ」活動へと進んでいく様子が紹介されました。
総会後半では、出席の会員からの近況報告があり、自身の活動状況や感じたことなどを語る時間となりました。
約半年の研修を経て新たに会員となったメンバーからは、「語り継ぎ」への思いや、今後の抱負などが語られ、それぞれの今後の活動に向けての内に秘めた決意が感じられました。また、先輩会員の皆さんからは、より実体験に近い方々ならではのリアリティを持った心に響いてくるお話がされ、一同は熱心に聞き入っていました。
予定の2時間はあっという間に過ぎ、終了の時刻を迎えましたが、会場では、あちらこちらで出席者同士が語り合い、名残を惜しむ姿が見られました。
3年にも及ぶコロナ禍で、「語り」の活動もままならず、また、会員同士の交流も限られた形でしか行えない状況が続いていました。そんな中での総会の開催で、出席者が感じたことは、他の語り継ぎ手さんのお話を直接伺うことができて、やはり対面での交流には何にも代えがたいものがある、ということではないでしょうか。帰路につく会員の表情にもそんな気持ちが表れていたようにも見えました。
アフターコロナの「語り継ぎ」へ、「リボン」は新たな一歩を踏み出しました。