企画展「沖縄から平和を考える」によせて◆著作権の問題
運営委員 坂井 栄子
展示会場
展示パネルには、展示内容をより理解しやすいようにと、写真やイラストなどの画像を挿入することがよくあります。沖縄展でも45枚ほどのパネル原稿のそれぞれに、1点から2点の画像をあしらってありますが、その際、気をつけなければならないことがあります。著作権です。
あまりお金をかけることができない「ピースあいち」としては、何とか無料で、とまずはパソコンと格闘します。なかには借用書を出すだけでいいという博物館、美術館もあれば、使用した画像を入れたパネル原稿の提出を求められることもあり様々です。総じて、「ピースあいち」の名が知られている所は好意的に対応してくれました。
「ピースあいち」は民設・民営で公的援助はありませんと訴えたところ、沖縄の一新聞社は新聞記事使用料を「本来は○○円ですが、今回に限り○○円にしておきます」と値下げをしてくれました。
一方、書物からの画像の借用はとても難しいことが分かりました。まず、出版社に連絡し、著者に許可を求めた結果、高額な費用を請求され、直ぐに諦めたこともありました。
出版されたり、発表された年月からすると、50年以上も経過しているから、これまでの感覚からすると問題ないのではないかと考えがちですが、そうではないのだということが今回よく分かりました。
プチギャラリー「首里城」
あちこちに連絡していると、思わぬ情報が入ってくることもあります。米軍基地などを小型無人機(ドローン)で監視している市民団体「辺野古ドローンプロジェクト」に辺野古新基地の空中写真を申し込んだところ、最新の様子が映った写真を提供してくれました。提供を申し込んだ写真の2020年12月にはまだ海だった所が、今年の4月1日には既に埋め立てられている。撮影禁止である所にドローンを飛ばすことで警察とやりあっている写真も添付されていました。辺野古新基地の埋め立てに南部沖縄戦での遺骨が埋まっている土砂を使用することが検討され、抗議行動が起きているとのニュースは、本土にはなかなか伝わらないのが現状です。
時間をかけて手にした画像を使った展示パネルが、少しでもヤマト(本土)の人たちの理解を深めることができたら幸いです。
企画展「沖縄から平和を考えるーウチナーとヤマトの架け橋に」は、5月25日から3階展示室で開催しています。