「戦争とスポーツ展~戦時下、時代に翻弄されたスポーツ選手たち~」開催
運営委員  原田 拓郎

                                           
 
展覧会場の様子1

 

 初めての自分の提案が、「戦争とスポーツ~戦時下、時代に翻弄されたスポーツ選手たち~」と題した企画展として4/6(火)より開催されます。それはとてもうれしいことですが、ここに辿りつくまでいろんなことがありました。
 2020年の東京オリンピックのタイミングで戦没オリンピアンについての企画をしてみたらどうか。母親との何気ない会話の中から生まれたものでした。当時、企画展案を探していたこともあり、すぐに飛びつきました。果たしてその企画は採用され、メンバーも集まり、プチギャラリーで開催することになりました。その責任者だった稲田さんをリーダーとして動き出したのが2019年秋頃です。

 しかし、ほどなくして稲田さんの訃報が届きます。突然のことでした。その少し前に会議でお会いしたときには元気なご様子で、企画のことを時に笑顔で真剣に話されていたことを覚えています。
 稲田さんの分もよい展示になるようがんばろうと再スタートを切って、年も明け本格的に動き出した頃、新型コロナウイルスの感染拡大により、愛知県にも緊急事態宣言が発出されピースあいちも休館を決定しました。企画展のスケジュールも全体的にずれ込んでいくことになります。プチギャラリーから展示室を使った企画展へと変更になり、オリンピックと同じ2021年に開催が延期となりました。さらにメンバーの内2人が就職や転勤で名古屋を離れることになってしまいます。

 

 それでも展示パネルで紹介する選手のご遺族に取材や資料提供のお願いなどで伺うと、快く受け入れてくださり、いろんなお話を聞くことができました。戦争という悲しい記憶を介してつながったご縁はとてもあたたかくて、帰り道はいつもピースでの活動をしていてよかったなと思います。
 オリンピアンに限らず、プロ野球や学生野球も含めたスポーツ選手とその競技が、戦時下という特異な時代にどのように翻弄されたのかを紹介し、スポーツの側面から戦争の実相を浮き彫りにした企画展はこうして完成しました。
 スポーツを思う存分楽しめる平和について一緒に考えてみませんか。