◆「戦後世代による語り継ぎボランティア」第2回の研修会から
運営委員 平岩 潤
11月15日、「ピースあいち戦後75年プロジェクト」の<語り継ぎボランティア研修>の第2回研修会が開かれました。この催しには、予想を超える多くの方の応募があったことは、先月のこの欄でも紹介されていましたが、今回もほぼ全員の方が参加されました。
この日は、「語り手の思いに耳を傾ける」をテーマに、「語り手の会」の小笠原淳子さんと木下信三さんに加わっていただきました。お二人は、主に学童疎開の体験についての語りを重ねていらっしゃいます。この場では、お二人の語りの映像を見ながら、語り手として思っていることや、伝えるための工夫などをお話ししていただきました。
会場からは、「伝えるという想いを長年継続して行けるのは、どうしてか?」「語り継ぎをするうえで、当時はどういう空気感だったのか、参考にしたいので教えてほしい。」など、質問が相次ぎ、熱意の程が伝わってきます。お二人からも、熱心に答えていただき、「是非とも、こうした体験を語り継いでいってほしい」という期待の言葉をいただきました。
会の後半では、3つのグループに分かれ、「具体的に、どういう語り継ぎをしていきたいか」などについて、参加者お一人おひとりに発言してもらいました。
主催者側として、語り継ぎのスキルだけでなく、「何を語り継ぎたいか」という個々の思いを明確にしてもらうことが重要と考え、こういう形を取りました。運営スタッフもこの場に加わって、どういうお手伝いができるのかを話してゆきます。
参加者のお話を聞くと、「広島出身なので、被爆体験を語り継ぎたい」「自分の親族の体験を深めたい」など、すでにイメージが固まっている方が何人もいました。一方で、「これから本格的に考えるために、体験者の方や語り手の方と、直接お話しする機会を持ちたい」という方もいました。
そんな中で、「一人で考えているよりも、他の方と一緒の場で、話し合いながら考えた方が、力をもらえる」という発言もあり、スタッフも意を強くすることができました。
これで研修会の2回が終わりましたが、今後の進め方は、まだ手探りの部分もあります。次回以降も、参加者の意見や感想等を聞かせてもらいながら、運営側でも試行錯誤を重ね、参加者の皆さんの思いを実現できるよう、努力していくつもりです。
なお、この研修会は毎月 第3日曜日の午前10時から行うこととしています。コロナが再び心配な状況ではありますが、ご参加の皆さんの意向を確認し、感染状況に留意しながら来月12月も開催することになりました。