◆第8回寄贈品展―伝えていこう戦争の記憶―開催に向けて作業終盤です
運営委員 安藤 正幸
今年も12月8日から寄贈品展が開催されます。準備は7月から始めましたが、これまでとは違った障害のある中での作業となりました。
一つは新型コロナの影響です。みんなで集まって作業をすることをできるだけ避け、交通機関に注意を払っての来館、コロナ対策をしての作業でした。もう一つは9月の工事休館が予定されていたことです。そのため9月中は資料室が使えず、さらに資料室の全資料ケースを階下に降ろし、また元に戻す作業が必要でした。その作業には多くの方の協力をいただきました。
一方、7月の着手時点で予定展示候補資料が当初の倍になるというハプニングも重なり、一時、全部の展示は無理ではないかとの意見も出ていました。しかし全数の展示を確認し、制約を受ける中でも資料班メンバー全員の努力により、ほぼ予定通り進むことができました。
他のボランティアたちと一緒に作業中の安藤さん(左から2人目)
毎回思うことですが、展示品目録や説明文・キャプションづくりが大変です。寄贈者への展示公開許可と追加情報の有無の聞きとりから始まり、資料名、氏名、続柄、元号・西暦の年月日が正しいか、漢字の変換で間違いがないか、表示や語句が統一されているか、資料を見て確認が必要で、根気よく丹念にチェックしなければなりません。転記が多い作業と複数人での作業のため、どうしても手が掛かります。
今年の広報資料のチラシについては明るい配色で手に取って見たくなる、今風に言えばかわいいものができています。チラシの内容、表示の文字、チラシのレイアウトから配色まで、専門的な感覚で作成していただける方がいるからこそできるので、ボランティアでそれが実行されるのを見ると「ピースあいち」の力を感じます。
この作業をしていて、私たちは寄贈品展の全容を最も早く知ることができます。特筆される展示には、今年3月逝去された野間前館長が学童疎開していた折に父親から送られた貴重な手紙等、また昨年逝去されたピースあいち創立時からボランティア活動されていた稲田さんからの寄贈品があります。
また朝のTV小説「エール」で戦時歌謡が流れていましたが、寄贈品の中にもいくつかあります。特に目を引いたものに戦時民謡集があります。よく歌われる民謡に戦時歌詞をつけたもので、それを出版するという徹底ぶりに驚きました。また著名な画家が戦争場面を描いている画集があります。陸軍美術協会発行のものです。
最後に紹介したい展示物に300枚を超える軍事郵便絵葉書があります。これらは当時の様々な情報を伝えていて必見です。是非多くの方に見ていただきたいと思います。