◆「戦争の中の子どもたちと」と「戦争と動物たち」展に寄せて
運営委員 坂井 栄子
秋には小、中学校の来館が多いということで、毎年この時期に準常設展として「子ども展」を開催しています。
およそ15年もの長い間、日本は戦争をしていて終わったのは75年前。その頃の子どもたちはどんな暮らしをしていたのでしょう。パネルと実物資料で紹介しています。展示パネルの最後は毎年6月23日・沖縄慰霊の日に朗読された「平和の詩」です。今年は沖縄県立首里高校3年生の高良朱香音さんの詩「あなたがあの時」。心が惹き付けられます。
(左)「こども展」のパネル (右)「あなたがあの時」
今回の目玉は碧南市市史資料室からお借りした「めんこ」です。一昨年故野間館長から知人を介して、子ども展にふさわしい「めんこ展」を碧南市でやっているから見に行ったらどうかと言われました。早速、展示会場の藤井達吉現代美術館へ他のメンバーと出かけ、展示を見て、「面白い」と思いました。そこで、主催している北村恒さんに借用を願い出ました。北村さんは先月号のメルマガでめんこの紹介記事を書いていらっしゃいます。
ほとんどのめんこを自費で購入し、めんこのルーツから時代と共に変わるめんこの種類、遊び方まで研究されたとのことです。40枚の収蔵品展示パネルの中から、昭和初期から戦時中、戦後(昭和20年代)の4枚(444枚の差し込みめんこ)をお借りしました。
碧南市市史資料室自慢のめんこコレクション
めんこの全盛時代といわれた大正時代には武将めんこや軍人めんこの他に映画俳優、相撲力士、野球選手の人型めんこが作られるようになりました。昭和初期、オリンピックで活躍した選手のめんこ、外国や日本のマンガの主人公のめんこは子どもたちに人気でした。
国民がまだ楽しむことができた時代でした。
しかし、日中戦争開始後は戦争が国民の生活に影響を及ぼしてきて、当然、めんこの図柄にも戦争に関する物が多くなってきました。元帥や大将、戦う兵士、戦闘機などです。
お相撲さんの化粧まわしに防毒マスク、鉄かぶと、銃が描かれているのは少しびっくりです。
めんこの遊び方の説明パネルや使用できるめんこも多数置いてあります。めんこに触れる前後に消毒を忘れないでね。