愛知の戦跡をめぐる高校生自転車ピースリレー
運営委員 熊本 亮子

                                           


 
展覧会場の様子1

 長かった梅雨が終わり、じりじりと真夏の太陽が照りつける8月8日の午後、オレンジ色の揃いのTシャツとヘルメット姿の愛知高校生フェスティバルの生徒たちが、自転車でピースあいちへやって来ました。

 “県内の高校生が自転車でリレーしながら、愛知県内の戦争遺跡や平和に関する資料館をめぐり、行く先々で平和学習や戦争体験の語り・講演を聞いて、戦争体験を「現地で」「直接」学ぶ。また、学んだことをもとに、「平和とは何か」「未来をつくるとは何か」をテーマに、議論を深める。” という取り組みです。ピースあいちへはハードな3日間の最終日に、やっと到着したのでした。

展覧会場の様子1

 休憩する間も無く「模擬原爆パンプキン展」を金子力さんの解説で見学しました。当館に来る前には、春日井の旧名古屋陸軍造幣廠鷹来製造所後碑を名城大学・渋井教授の案内で見てきたところでした。現地見学後により詳しく模擬原爆を聞くというルートがよく考えられているので敬服しました。生徒たちは金子さんの出す3択Q&Aに手を挙げて答えたり、メモを取りながら熱心な様子でした。聞けば「実際は50人のメンバーがいる。来られなかったみんなに後で自分たちで伝えたいから。」と、30分ほどの予定時間があっという間に過ぎました。

 この日の走行56㎞、ゴールまであと少し。無事の到着を祈って自転車をこぎ出すのを見送りました。汗をかいて仲間と走り、体力と知力を使い果たし、より深い経験となったことしょう。



【生徒の感想】

・今日はじめての参加で、最初は走りきれるかな、置いてかれないのかなと、めっちゃ不安だったけど、 初めて話せた子とも仲良くなれたからよかった。ピースあいちでのパンプキン爆弾の話では、9 日に長崎 に爆弾が落とされた後に14日にパンプキン爆弾を落とされたことを聞いて、もっとパンプキン爆弾の事、 戦争のことを知りたいな!と思いました。自分でもっともっと調べて、いろんな人にアウトプットしていけたらいいなと思います。(同朋高校 2 年)

・3 日間お疲れ様でした。一宮や春日井にも爆弾が落ちてたことを知り、愛知県では本当にいろんなところに軍事工場があり、その軍事工場を潰すために爆弾が落とされていたんだなーって思いました。戦争は広島や長崎、沖縄だけでなく、愛知の戦争のことも愛知県民として次の世代にもつなげていかなきゃなと思いました。(淑徳高校 3 年)