ときどき事務局だより◆休館中の出来事
事務局次長 庭山 輝男

                                           
 

 4月4日(土)から臨時休館が始まりました。いつまで続くかわからない休館にどう過ごそうかと思った時に、「お客様が来ないという事態を逆手にとって、休館だからできることを極力、行おう」と考えました。

 

 まず、すすめたことは4月13日(月)、館内のワックスがけです。1Fの多目的ホール・事務室・トイレと2Fの通路、3Fの資料室・通路・トイレの床面洗浄、ワックス仕上げを業者の方に頼みました。
 1Fにはピアノ、机や応接セットなどたくさんの物がありますが、部屋の外に出すこともなく、片側に動かし、洗浄→乾かし→ワックス→乾かし→戻す の繰り返しで午前中に作業は終わりました。前日が雨だったので、どうなるか心配しましたが、無事終了しました。

 次に手掛けたことは、寄贈図書の棚卸です。昨年、書籍1冊ごとに、番号をつけ、棚にもロケーション番号を割り振りデーターベース化しておいたので、2,300冊の図書の棚卸が一人でどのくらいの時間でできるか、チャレンジしてみました。
 4月18日(土)午後から始めて4月22日(水)午後まで、延べ22時間で棚卸情報をデーターベースに登録するまでを終わることができました。棚卸した図書は2,221冊で、貸し出し簿と付き合わせると、60冊がわからず、これから調査です。

 
展覧会場の様子1

 次が、館管理委員会で手配した館内の補修工事です。4月22日(水)、1F入口から階段部分の3Fまでの足場の組み立てが昼までに終了。23日(木)には階段室のクロス壁の補修塗装、24日(金)は階段室遮光ブラインドの設置と1F南ロールスクリーンカーテン交換。ということで、懸案の工事も終わりました。

展覧会場の様子1

 

 最後が、2Fの展示室と3F資料室内に保管されている所蔵資料の「燻蒸」です。4月28日から5月1日まで、資料ケースを取り出して蓋を開け、殺虫剤を発煙し、換気し、資料ケースに防虫剤を入れて、保管場所に戻すという、一連の作業をしました。腰にこないように気をつけて、年をとるごとに厳しくなる作業です。資料班を中心に数人で行いました。

 また事務局としてこの時期に実施しなければならない事務処理に、心おきなく没頭できました。理事会の資料作成や名古屋市へ提出する報告書づくりなどです。

新聞記事未

 5月4日(月)には中日新聞朝刊に、「コロナ 平和教育に痛手」という見出しで記事が載りました。準備がすっかり整った企画展「模擬原爆パンプキン」が、臨時休館によって来場者の目に触れることなく展示されているという内容で、展示会場の写真も載りました。翌日の5日(火)には、やはり臨時休館についてメーテレの取材があり、その日の報道番組で放映されました。
 そのニュースをみてか、戦時中の記録ビデオ(VHS)数百点の寄贈のお話があったり、岐阜の民族資料館から子ども向けの展示パネルや資料の貸し出し依頼のお話が飛び込んできたり、また新規会員加入申し込みなど、うれしい事もありました。

新聞記事未

 ピースあいちの前庭、お地蔵さん横の「アンネのバラ」が4月24日に咲き始め、5月11日には満開となりました。12日にボランティアの方が散った花を取り除いて整理し、今も、咲き誇っています。皆さんには写真で…。
 前を通られた方が「挿し木したい」と訪ねてこられたので、一枝お持ち帰りいただきました。

 

 ピースあいちは休館でも、まわりの草は遠慮なしに伸びてきます。臨時休館が終わった時に見苦しくないように、4月21日(火)に館の横と裏の除草をしました。5月12日にはボランティアさんが前面の草取りをするなど、何時お客様が来られても良いように準備をしています。

 

 4月4日(土)からピースあいちに詰めていますが、一日ずっと一人でいる日は数えるくらいしかありません。ボランティアの方々が、「当番だから。仕事もするつもりで」、「おやつ持って来たよ」、「手作りの弁当だよ」、奥さんと一緒に来られ「近くで昼食を食べに来たから」と、顔を見せてくれるからです。みなさんに見守られています。みんな、臨時休館をいっしょに乗り越えようとしている仲間たちだと感じました。

 いま、県内の小・中学校が休校の状態です。愛知県と名古屋市の平和支援事業(戦争体験者の語り手派遣)は、今年度は中止の方向となりました。
 毎年10月・11月には、名古屋市をはじめ、近県の小・中学校の平和学習の団体来館の対応でうれしい悲鳴をあげていて、今年も期待しています。しかし、毎年来ていただいた学校も休校の遅れを取り戻すため、今年は、団体来館をとりやめるという事も出てくると思います。
 コロナが収束し、学校にご来館いただける日を待ち望んでいる今日このごろです。