◆戦後75年プロジェクト◆映像アーカイブ の実現に向けて
ボランティア 平岩 潤

                                           
 

 初めまして。私は、「ピースあいち 戦後75年プロジェクト」で、映像アーカイブの実現に向けた活動をしています。ところで、アーカイブ(archive)って何でしょう? 一般的には、以下のように説明されています。
 「重要記録を保存・活用し、未来に伝達する事業」
 「歴史的重要性をもち得る記録や資料を、まとめて保存・管理する施設」

展覧会場の様子1

撮りためたDVDを確認、整理する平岩さん

 2007年に開館したピースあいちには、戦争体験について証言映像が、数多く残されています。主に「語り手の会」の人たちが、ピースあいちの館内や小中学校に出張して、語られたものです。ビデオカメラで撮影、DVDに記録され、現在100本以上が残されています。初期のものは、予算をかけて編集され、パッケージもきちんとデザインされています。
 残念ながら、これからは戦争体験者のお話を、直接には聞けなくなるでしょう。まさに、これからの時代に向け、貴重で重要な映像を、きちんと整備して残し、活用していこうというのが、狙いです。

 今後、概ね2022年までの3年間で整備することが目標ですが、そのイメージと現在の進捗状況は下記の通りです。
① 40分~60分程度あるDVD映像を、15分程度に短く再編集する。合わせて、映像(語り)全体の書き起こしを作成する(テキスト化する)。
 →赤澤事務局長や私の知り合いで、動画編集のスキルのある人たち数人に、すでに作業をお願いしました。若干の謝礼をお支払いすることにしています。
② 証言者のプロフィールや関連のデータと合わせて、データベースとして利用しやすい形に整備し、公開する。
 →構築経験のある会社に相談を始めていますが、どういう目的や機能を持たせるか、まずピースあいちの中で議論をして、明確な形を決めていかなくてはなりません。

展覧会場の様子1

③ こうした資料を、「語り継ぎ」はじめ、ピースあいちのいろいろな活動に利用してゆく。    →多くはアーカイブ整備後の話になりますが、すでに「語り継ぎ」活動で映像を交えた語りを館の内外で、何回か実施してきています。
 今後は、戦後75年プロジェクトの中で「語り継ぎ手の養成」も始まるので、「語り手の会」「語り継ぎ手の会」と連携していきます。

 私は、2017年9月に「語り継ぎ手の会」に加えてもらい、ここからピースあいちとの関わりが始まりました。ほんの新参者ですね。たまたまテレビ局に勤めている関係で、映像面で何かお手伝いができないかと、皆さんに相談したり、意見を言ったりしていました。結果、戦後75年プロジェクトの一環として、正式に始動できることになり、たいへんやりがいを感じています。

 

 私自身も上記①の編集作業をする中で、何人かの方のDVDを見せていただきました。広島や長崎での被爆、従軍や戦場の体験、空襲、勤労動員、学童疎開、戦後の苦しい生活…、皆さんの体験はさまざまですが、厳しさや事実の重さに、粛然となります。一方で、この証言全体をきちんと整備して後世に伝えることができたら、たいへん豊かで素晴らしいものになるんじゃないかなという思いも湧き上がってきます。
 語り手の皆さんの個性もさまざまです。名古屋弁まる出しで熱っぽく語られる方、丁寧にわかりやく話される方、防空頭巾やモンペなどの「コスプレ」で子どもたちに熱演される方…。お話の中身もさることながら、お一人お一人の熱い思いも、残していかねばならないと、強く感じます。

 プロジェクトは、まだ始まったばかりです。もし手伝っていただける方は、大歓迎です。かく言う私自身も、偉そうなこと言ってますが、自分で手を動かして動画編集をすることは始めたばかり、ネットやI Tにも特別詳しいわけではありません。わからないことがあれば、一緒に学んでいきましょう。どうか、暖かい目で見守っていただけると、幸いです。