◆2019(平成31)年度 戦争体験語り手の会の活動
ピースあいち語り手の会 代表 竹川日出男

                                           
 

  ピースあいちは2007年5月に開館しましたが、語り手の会はその2年後の2009年7月に発足しました。以来、充実した活動を行ってきましたが、本年度も以下の4つの柱の事業を実施しました。

1)平和学習支援事業
 戦争に関する資料館運営協議会(愛知県・名古屋市が設置)から受託して、愛知県下の小中学校を巡る事業で、本年度は名古屋市内2校(小学校トワイライトスクール1校、中学校1校)、名古屋市以外の愛知県下の小学校7校、中学校1校、合計10校で実施し、1009人の児童・生徒らが聞いてくれました。
2)夏の戦争体験を語るシリーズ
  本年は8月1日から15日までの間に12回開催し、聴衆は588人に上りました。
3)「愛知・名古屋戦争に関する資料館」夏休み特別企画事業
   8月2日から18日までの間に8回開催し、聴衆は142人に上りました。
4)その他の語り活動
 上記のほか、愛知県下の小中学校や各種団体からの要請に応えて語り手を派遣したり、「ピースあいち」を訪れた学校・団体に対しても語り事業を行うとともに館内ガイド事業も行いました。

 こうした活動を通じて戦争体験者の語り事業は延べ93回、聴衆は総勢6000人を超え、昨年度を2割以上上回るという活気ある年となりました。

(ある小学生の感想文)
 父から、僕の曽祖父がフィリピンに戦争に行き、船が沈んで亡くなったと聞きました。戦争は何のために起こったのかよく考えていきたいです。また、戦争が起こらないようにするにはどうすればいいのか。ぼくたちが未来へのカギなので、そういったことを後世に伝えることが大切だと感じました。

展覧会場の様子1

安城市立安城北部小学校での語り風景

(総括)  本年度の語り事業は先述のとおり、延べ93回実施しました。これらの事業で語っていただいた語り手は40人ほどに上ります。お一人当たり2~3回語っていただいたことになります。登録いただいている語り手は90名ほどに上りますが、高齢化が進んで語れる体力のある方にお願いしているのが実情です。こうしたことから一昨年には「語り継ぎ手の会」が発足し、活動に入っています。戦争体験語り事業も変革期にあることを実感します。