年頭にあたって
館長 宮原 大輔
新年明けましておめでとうございます。
おとそ気分もどこやら。新年早々、中東でイランの司令官が暗殺されるという事態になり、あわや「戦争か!」と、緊張が高まる年明けとなりました。
そんな中でも、ピースあいちはお正月明け以来、団体の来館が続いていて、賑わっています。ありがたいことです。また現在開催中の第7回寄贈品展では、展示されている「特攻後続隊」の資料が新聞で報道されたこともあって、ご親戚や関係の方々が遠方から来館いただきました。
この寄贈品展は今月25日で終了しますが、その後の展示企画も準備が進んでいます。
まずは「丸木位里・俊『原爆の図』と大津定信展―核兵器のない世界のために」展が2月4日から始まります。原爆の図第2部《火》と名古屋市在住の画家大津定信さんの作品5点、核兵器禁止条約に関する展示パネルという構成です。ピースあいちの原爆の図展としては5回目になりますが、今回は「核兵器のない世界のために」というサブタイトルが付いています。これは「核兵器禁止条約」を成立させようという、現在のテーマも展示で取り上げているからです。
この条約の成立に大きな役割を果たし、2017年のノーベル平和賞を授与された核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の川崎哲さんの講演会を予定しています。また丸木美術館から学芸員の岡村幸宣さんと大津定信さんによるギャラリートークもあります。民立民営のピースあいちならではの展示会だと思っています。
今年は戦後75年の節目の年になります。戦争の体験者は年々少なくなっていて、戦争体験の語り継ぎが喫緊の課題になっています。ピースあいちでは戦後75年の事業として、戦争体験のお話を映像で記録し、ビデオライブラリーにしていく計画をスタートします。
2020年のピースあいち。魅力的な企画を打ち出していきます。市民の皆様にどうぞご注目いただき、たくさん来館されますよう願っています。
今年も一層のご支援をお願いして新年のご挨拶といたします。