◆所蔵品から◆資料ナンバー9298 納屋町回覧板(の写真)の話
資料班
回覧板写真ファイル
今回ご紹介するのは、回覧板の書類を、1枚1枚撮影した写真です。
通し番号が付いています。最後の番号が「468」です。
写真のプリントアウトがこのようにファイルになっています。全部で5冊。
始まりは「昭和十五年」、1940年の6月・7月で、最後は「昭和十八年」、1943年の1月・2月です。
5冊目のファイルの中から何枚かご覧いただこうと思います。
回覧板写真
ファイルの5冊目の先頭は401番。「八月の常会資料 大政翼賛会名古屋市支部」
「八月の常会徹底事項」
中身は、
「戦争生活の徹底的な実践 一、決戦生活の実戦 二、夏季鍛錬の励行」
「大詔奉戴日の実践事項 一、外出時の服装 二、徒歩励行 三、其の他」
言葉の説明をすると、隣組(今でいう町内会のようなの)の毎月の集まりが「常会」です。
「大詔奉戴(たいしょうほうたい)日」は、開戦の12月8日にちなんで毎月8日が記念日になっていました。
昭和17年、1942年8月の常会議題のトップが「決戦生活」。ご町内レベルで「戦時体制」についてお知らせがあったのですね。
回覧板写真
配給のお知らせです。手書きメモが多いです。
写真上から「とうふ、あげ」(402)・「新米特配」(411)・「鶏卵」(420)・「豆腐 油揚」(440)・「家庭風呂燃料」(447)です。この町内お豆腐が多めなのかしら。鮮度が大事だから配給の回数が多いのでしょうか?
最後の「家庭風呂燃料」には赤字で「特大至急」と書かれています。「至急」「大至急」の上を行くのが「特大至急」と思われます。
回覧板写真
配給以外の、手書きの連絡をご覧いただきます。
「七月分町費(特大至急)」(403)・「ラジオ体操の会要項」(438)・「結核講演会あり」(439)・「新栄防犯協会 防犯週間」(449)・「灯火(音響)管制実施」(450)。
灯火管制と一緒に、音響の管制もあったのらしい。
回覧板写真
手書きではない、活字のお知らせをいくつか。
写真上から「建築物防空的整理運動に就て」(412)・「井戸の調査に関するお願い」(413)・「『常会振興の夕』要項」(414)・「飛行機献納一日一銭献金」(415)・「兵器の増産に水を!!!」(437)です。
建築物防空的整理運動というのは、消防活動の妨げになるものを「整理」しようという運動で、対象は「格子、広告物、看板及び空き地の塀」「軽易な物置小屋…防空防火上障碍あるもの」です。
「兵器の増産に水を!!!」は、節水を呼び掛けるお知らせです。
今回の「所蔵品から」で使用した画像は最初のファイルの写真以外はあらかじめ撮影されていたものです。
2008年から2009年にかけて、何週間にもわたって火曜日のボランティアの佐々木さんと稲田さんが作業をしてくれました。現物だけでなく、内容のわかる画像データもピースあいちの大切な財産です。紙資料の中身を読めるようにする、というのは、大切なことなのですが、なかなか進みません。
詳しい画像はこちらからどうぞ。
http://www.peace-aichi.com/pdf/20200123_kairanshashin.pdf
ピースあいちウェブサイトの、所蔵品の紹介のページからも、バックナンバーの関連画像が見られます。よかったらこちらもどうぞ。
http://www.peace-aichi.com/objects/
ピースあいち第7回寄贈品展 時をつなぐモノたちの声
1月25日(土)の15時で終了です。
ご来館いただいた皆様にお礼申し上げます。