◆所蔵品から◆資料ナンバー9298その他　第7回寄贈品展の資料の話
資料班

　2019年12月7日から、「第7回寄贈品展　時をつなぐモノたちの声」が始まりました。
　展示室の様子をご覧いただきます。
　今月も寄贈品展の展示資料の中からご紹介します。

　この写真の向かって左の壁にカラフルなポスターのようなものがあります。雑誌「主婦之友」の広告です。

　てっぺんに赤字で「主婦之友豪華新年号」、その横の青字は右が「大奮発」左は「戦勝記念大懸賞」と書かれています。

　広告の一部分をご覧いただきます。新年号の表紙のような体裁になっています。
　「世界一流の家庭雑誌」「八大愛国付録」「五大感激小説大反響」「幸福・家庭建設号」「特別大懸賞発表」。なんというか大仰でストレートな言葉づかいだなと思いました。

　さらに別のところ。懸賞の賞品は銘仙の着物100名、刺繍名古屋帯300名、帯〆（帯締め）1600名。豪華。まさに「大奮発」です。
　あと、見ていただきたいのは下の帯状の広告。 「『麦と兵隊』の火野葦平通信『妻と兵隊』」
　「見よこの感激篇!!主婦之友新年特別号に独占発表!!」
　下のほうの小さい字の文もご紹介します。
　「『麦と兵隊』『土と兵隊』で一躍戦場文学の王座を占めた火野葦平軍曹の『妻と兵隊』『子と兵隊』あるいは『母と兵隊』ともいい得るような家郷の妻子両親へ送った感激の戦線通信集を『主婦の友新年号』で特別発表」
「右の写真は火野葦平軍曹」

　たまたま今回の展示には、火野葦平の「花と兵隊」があります。展示ケースには「花と兵隊」、上を見ると「妻と兵隊」の広告。別々の方から寄贈されたものの間にこのような関連があるのは面白いと思いました。

　今回ご覧いただきたい物のひとつが木製プロペラです。今年（2019年）3月の展示「熱田空襲展」の際、ピースあいちに寄贈をいただいたものです。しゃがむように近づいて見ていた方が言われたのです。「字が書いてある」。

　正面中央の、ふくらんだところを横から見ています。写真から見ていただけるといいのですが、「単葉」「ヒ式　200　HP」「愛知　NO　246」「14.3.13」「15ｋ000」と書かれているようです。

　プロペラのほかの部分のクローズアップもご覧いただきます。プロペラの先端と羽の端は金属でカバーされています。

　もうひとつご紹介します。
　木の箱です。上に書いてある字は「昭和二十年　月」（年と月の間は空白）「〇〇四式伝火筒」（最初2文字読めない）「豊川海軍工廠」と読めます。
　右端の字が書いていない箱を開けたところもご覧いただきます。「伝火筒」の跡でしょうか。変色した丸い跡が並んでいます。

詳しい画像はこちらからどうぞ。
http://www.peace-aichi.com/pdf/20191222_19kizou.pdf

ピースあいちウェブサイトの、所蔵品の紹介のページからも、バックナンバーの関連画像が見られます。よかったらこちらもどうぞ。
http://www.peace-aichi.com/objects/

寄贈品展のお知らせ　
ピースあいち第７回寄贈品展　時をつなぐモノたちの声
2019年12月7日（土）～2020年1月25日（土）
2018年7月から2019年6月までの寄贈品290点を展示します。