◆被爆体験を聴いて→広島への修学旅行◆生徒の感想から
愛知県立知多翔洋高校 鈴木 淳文

                                           
 

  9月26日、翔洋高校で木下冨枝さんの戦争体験の講話ありがとうございました。10月9日から11日まで修学旅行で広島に行ってまいりました。広島の原爆資料館では、木下様のお話のおかげで、生徒たちは熱心に展示を見ており、時間が足りないと感じた生徒も少なくありませんでした。生徒たちにとっては、たいへん貴重な体験になったと思います。生徒の感想を一部抜粋しました。

展覧会場の様子1展覧会場の様子2

被爆体験を語る木下冨枝さん

 

 感想文は次のような設問をしました。

① 木下さんのお話を聴いて、あなたは何を思いましたか。
② 講演を聞いた後で広島を訪問しました。お話を聴いたことで何か影響はありましたか。もし、講演を聴いていなかったらどうしていたかなど想像して書いてください。

① 戦争や原爆の体験を実際にしている方から聞くと、ただ授業で学んだりするのとは違って説得力というか、自分の中に話がすごく入ってきているような気がしました。8月6日の天気が少しでも悪ければ、雨が降っていれば、原爆はこんな効力をもたなかっただろうと聞いて、初めて知ったので、天気なんてどうにもできないけど憎く思えました。
当時、元の生活に戻れないこと、身近な人を亡くしてしまったこと、常に恐怖がつきまとうこと、そのような辛さをたくさん味わってきたのに、今のような生活がだんだんと送れるようになってからも、当時の傷が残ったり検診を受けなければいけなかったり、家族や友人を失った苦しみ辛さから逃れられないのが、本当にたいへんだと思いました。
実際に記念館へ行くときには、今日の話を頭に入れて、しっかりと見学してこなければいけないなと思いました。
② 自分がもし聴かずに行っていたら、展示の一つ一つにここまで注意しながら見ていなかったと思います。
木下さんのおっしゃっていたお姉さんの、許可なく撮られてしまったやけどを負った背中の写真をみつけたとき、一気に、本当に起こったことなんだ、体験した人がいるんだと怖い気持ちになりました。だから、聴いていないとこんな身近なものと思ってみていないと思うし、どこかちがう世界で起きたことのような、どこか他人事のようなものに捉えていたかもしれません。聴いていたからこそ、どうしても目をふせてしまう展示があったり、時間が足りなくなってしまったりもしました。 けれど、行く前に被爆体験について聴けたことで何倍も濃い時間を過ごせたと思います。

展覧会場の様子1

生徒の感想文

① 小学校の時から、戦争については学んでいたけど「こういうことがあった」というくらいに思っていました。けど今回のお話を聞き、70年前の日本、戦争、恐怖、悲しさ、すべてを知ることができました。
原爆が落ちた瞬間の光、周辺の風景を想像しました。初めて原爆が落ちた瞬間の恐怖を身で感じることができました。そして、自分の家族を守るために、自分のケガを後回しにするお姉さんのお話ではとても胸が痛くなりました。他にも家のしたじきになってしまった子どもを助けようとする母親、探しても見つからない家族など、本当に胸が痛く、体が震えました。今、私たちはこんなに幸せに暮らしているのは、あたりまえなことではないと改めて思いました。
② 木下さんのお話を思い出しながら平和記念資料館を見て、私はとても胸が痛くなりました。
まず、原爆を落とされ、何もなくなった風景を見て、木下さんの言っていた今まで経験したことのない恐怖だったという言葉を思い出し、本当にこんな恐怖が広島にあったんだと改めて感じることができました。そして、被爆者の方の「あつい」という叫びや、残された子ども達の制服を見て、どれほど辛くて苦しかったのか、私達には理解しきれないほどの恐怖と悲しみがありました。そして、こんな恐怖と悲しみを背負って生きている人が、木下さんはもちろん多くの人が今でもいるんだなと思いました。改めて、今どれだけ幸せかを感じることができました。

① 今では考えることもないようなお話ばかりで、実体験を聞いて本当に原爆があったんだなと実感しました。 毎日が死と隣り合わせで、ずっとついてくるものだから私たちが考えているよりずっとつらかったと思います。それなのに私たちにこうして話を伝えてくれて、本当にすごいと思うし、とても勉強になりました。原爆はもう二度とあってはならないという気持ちを伝えるためにも私たちこうして話を聞いて次に伝えていかなきゃいけないなと思いました。
② お話を聞いて、私は最初に木下さんのお姉さんの背中の写真を見てみようと思いました。話を聞いてからだったのでより原爆の恐ろしさを感じられると思ったからです。
入った時、私は鳥肌が立ち、本当にこんなことがあったのかと改めて実感しました。お話を聞いていなかったら、ただ通りすぎていくだけの原爆ドームでした。見るのはこわかったけどちゃんと向き合うことができました。とてもいい経験になりました。

① 私は今回、この話を聞いてとても胸が苦しくなりました。戦争は今まで授業をうけてきましたが、授業より身近に感じました。
1903年に飛行機が発明されて約10年後に飛行機が使われたのが悪いのかな?と思いました。自分の姉が背中の3分の1が焼けていたことや友達が生きていたまま火の中で亡くなっていったなど聞いて本当に恐ろしいなと思いました。こんな悲しい戦争が約70年前に起こっていたと思うと背筋がゾッとします。今を大切にしたいと思いました。
② 私はもし戦争のこの講話を聴いていなかったら、戦争という恐ろしいものをまだ身近に感じていなかったと思います。講話を聴いてから広島へ訪問した時に、想像とは全く違いとても大きな恐怖を感じました。原爆ドームそのものだと思いました。 もし私がその時代、または今現在戦争が起こっていたらと考えるととても怖いです。自分の大事な人、大事なものを失くしたらどんなに苦しいか悲しいかと考えました。二度と起きてほしくないです。