◆ボランティア雑感 ◆過去・現在・未来~未来を担う世代として挑む「資料館」~
ボランティア 湯浅 綾佳
7月からピースあいちのボランティアスタッフに加わることになりました。大学の授業の一環として初めて訪れてから2年。まさか再びピースあいちに関わることになるとは思いもしませんでした。
ボランティアスタッフの体験のために訪問させていただいたのが先日のことです。戦争のことは教科書程度にしか知らない若造に何ができるのか、緊張して足を踏み入れました。
そんな私を、ピースあいちの皆様はあたたかく迎えてくださいました。イベントが多く重なっていたこの日、私はあちこちを移動しながら受付や企画展の準備などを少しずつやらせていただきました。どこに行っても笑顔で作業に加わらせてくださいましたが、その目つきは常に真剣です。戦争を語り継ぐという使命感が見える瞳に、どれだけ穏やかでもここは「戦争と平和の資料館」であると再確認しました。
平和を象徴するかのようなあたたかな日だまりと、その裏にある強い信念を垣間見た一日でした。
次世代交流チームの会議で。左から2人目が筆者
私がボランティアとしてピースあいちに戻ってきた理由は、「ピースあいちを『資料館』ではなく、若者が未来を語り未来をつくる場所にしたいから」です。
「資料館」という言葉が私はあまり好きではありません。
過去の記録が倉庫にしまわれているだけならまさしく『資料館』です。文字通り『資料が置いてある館』ですから。
しかし、過去の過ちや教訓を生の声、生の遺産をもとに伝え、現代や未来へと繋ぐ場所は、ただの『資料が置いてある館』ではありません。そこは訪れた人がより良い未来をつくる使命を託される場所であると、私は感じています。現に私にとってそうあったように。
私にとって「資料館」は、文字通りの『資料館』などではないのです。
しかし、世界では戦争・紛争・暴力があちこちで起きています。私の身近にも、皆さんの身近にも、さらに新聞やテレビで紹介されるニュースにも、常に暴力があります。その暴力は、「資料館」を人生で一度は訪れたことがあるはずの人の手で起こっています。戦争は許されないものだと、暴力は何も解決しないのだと知っているはずの人の手で。
この人たちにとって「資料館」は、文字通りの『資料館』でしかなかったのです。
このような歴史は繰り返してはいけません。だからこそ私は、次に歴史をつくる若い世代にとって「資料館」を「資料館」たらしめること、そしてそれ以上に、暴力のない世界を確実につくる場所たらしめたいと考えています。その第一歩がピースあいちでの活動です。
私にとっての「資料館」が暴力のない未来をつくる決意を与えてくれた場所であったように、同じく次に未来をつくる他の若者たちにとってもそのような「資料館」であるために、これから精いっぱい活動していきたいと思います。