「辺野古写真展」実施のために◆僕の見た沖縄・辺野古
ボランティア 岡村 裕成
この梅雨の時期、ここ数年は、2階のプチギャラリーで、キャンプシュワブで辺野古の埋め立てに抗議する座り込みテントの人たちが中心になって撮影した写真を展示しています。
この写真展の準備のために数年前、辺野古やキャンプシュワブのゲート前を訪問し、現場でどんなことが起こっているのかを自分の目で調査してきました。ここでは、写真展で展示されていない、自分が撮影した辺野古・シュワブの写真を紹介しながら、現地の様子にも触れたいと思います。
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キャンプシュワブのゲート前のテント
キャンプシュワブのゲート前のテント(右)での座り込みや抗議行動がよく話題に上がります。仲井眞元沖縄県知事が、2013年12月に辺野古埋め立てを承認し、政府は現在まで辺野古の埋め立てを強行しています。それに対して、辺野古埋め立てに反対している人々はキャンプシュワブのゲート前での座り込みを開始し、現在も続けています。
しかし、座り込み運動の先駆けは左のテント。辺野古の海岸のすぐ近くにあります。SACO合意がされ、辺野古の海が埋め立てになると言われた時期から始めた座り込みは、20年以上になります。
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フェンスに結びつけられた横断幕
かつて、キャンプシュワブとの境目には有刺鉄線が張り巡らされており、平和への想いを込めたリボンを結んで抗議運動を行っていました。が、心無い人による放火事件などが多発したこと、辺野古の埋め立てが決まったこともあり、現在はフェンスが立てられています。左のような横断幕が全国から届けられ、フェンスに結びつけられています。この横断幕は、座り込みをしている人が、一日の座り込み運動を終えるたびに外し、放火などの対象にならないようにしています。
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船着場
また海岸には、海で抗議運動をするための船が停泊しています。これ以外にもカヌーで沖に出て抗議運動をしていますが、この船はその船頭を行ったり、カヌーで沖に出る前の海の様子を偵察に行くなどに使用されています。
辺野古の座り込み運動をしている方がそばの小さな離島まで乗せてくれて、辺野古の海の雰囲気を味わせてもらいました。
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抗議運動の旗
写真は、キャンプシュワブ前の座り込みテントです。すぐ目の前にキャンプシュワブのゲートがあり、抗議運動の旗が多く立てられています。このゲートから100mあるかないかのところに工事車両の通るゲートがあって、そこから毎回工事の車が出入りしています。
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抗議運動をする人たちと排除する人たち
座り込みの運動に対して、警察や警備会社が排除を繰り返し行っています。私が辺野古に行った時も、左のような、写真展で展示されている光景が目の前にありました。
その警備会社や警察はどこから来ているのかと追いかけてみると、日本人が入ったら即逮捕されるはずの米軍基地の敷地内から出入りをしていました。この敷地に一歩入ったために逮捕され、訴訟にまで発展した沖縄の人たちがいることを考えると、その基地から「同じはず」の日本人が出てきて、座り込みをしている人たちを排除しているという状況に、今までの米軍問題とは次元が違うものになっていると感じました。
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(左)応援メッセージやプラカード (右)右翼の車とパトカー
キャンプシュワブ前の抗議運動が続くにつれて、抗議運動のデマ、フェイクニュースの数々が問題になっています。
そのうちの一つ、「辺野古の運動は沖縄の人がかかわっていない」というデマは、左の写真のようにいろんな国の方々が送ってくる座り込み運動への賛同、辺野古埋め立てを反対するプラカードを意図的かつ、断片的に切り取って使っているためのようです。
また、右の写真のように、シュワブ前の道では右翼の車が警察のパトカーを従えているかのように行ったり来たりを繰り返し、座り込みをしている人たちを「ルールを守らない違法者」呼ばわりする場面を目撃しました。現地の運動をしている人は、埋め立てを強行する政府やその工事をさせるために動員される警察だけでなく、こういった心無い、運動している人を傷つける言動をする人とも「闘わなければならないんだな」と痛感しました。
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(左)くつろぐ人たち (中)三線 (右)マスコットのジュゴン
しかし、そんな緊迫した闘いだけが座り込み運動のすべてではありません。三線を奏でながら音楽に興じたり、話をしたりして過ごす姿も見受けられました。また、ジュゴンの生息地ということで、運動のマスコットのようなジュゴンが一緒にいたりと、運動の合間に沖縄らしいゆったりした時間があるのもまた、沖縄の座り込み運動の特徴なのかなと思いました。
キャンプシュワブの座り込み運動の現場からは、沖縄らしさとともに、諦めずに闘いつづける民衆の力を改めて感じました。