◆「熱田空襲展」開催中に寄贈された「木製プロペラ」も展示
運営委員 金子 力            

                                           
 

 ピースあいちでは、今年の「空襲展」として「1945年6月9日熱田空襲」を取り上げています。
 今回は空襲の目標とされた愛知時計電機株式会社、安城市歴史博物館、東邦高校美術科、同生徒会、至学館大学など、多くの皆様にご協力をいただき、多角的な展示を企画することができました。

展覧会場の様子1展覧会場の様子2

展覧会場の様子

絵はがき

4000ポンド爆弾の実物大布製パネル

 開会直前には「6月9日熱田空襲」に投下された4000ポンド(2トン)爆弾の実物大の布製パネルが完成しました。この4000ポンド爆弾は米軍が日本空襲を始めて以来、6月9日に初めて使用したものです。全長約3mの超大型爆弾には、火薬が重量の75~80%充てんされ、これまでにないきわめて強力な破壊力を持つものでした。

 また、ピースあいちの寄贈品の中から、水上機(水上からの離発着をするため車輪の代わりにフロートを付けている航空機)のフロートの木型を展示しました。大正時代に愛知時計電機に勤務されていた方からの寄贈品です。寄贈者によると、第一次世界大戦時のドイツ軍からの戦利品で、ハンザ製のものだそうです。この木型を参考にして、愛知時計電機は自社の水上機のフロートを研究開発していったそうです。

展覧会場の様子1展覧会場の様子2

左:フロートの木型 右:水上機フロート

 
絵はがき

愛知時計電機製航空機に使用された木製のプロペラの実物

 企画展のオープン後、愛知時計電機製航空機に使用された木製のプロペラの実物が寄贈品として届きました。直径3m弱の巨大なプロペラには海軍の錨のマークがあり、「甲型」「ヒ式200HP」「愛知NO.245」「14.3.13」という文字や数字が刻印されています。大正時代に製造された軍用機のものかもしれないといわれています。正式な鑑定はこれからですが、取りあえずこの機会に見ていただこうと、4月16日から3階展示室に設置しました。

 「熱田空襲展」は、大型連休中も日曜日と月曜日を除いて開館しています。最終日の5月5日(日曜日)はピースあいちの開館記念日、恒例の「ピースまつり」も開催します。入館料は無料です。コンサートやコーヒーショップもオープンします。