◆所蔵品から◆資料ナンバー843その他 日露戦争写真画報の表紙 の話 資料班
日露戦争写真画報
左:第17巻 1905年3月8日発行 右:第27巻 1905年7月8日発行
ピースあいち2階の常設展示「戦争の全体像 15年戦争」コーナーの最初の方に、「戦争前史Ⅰ 明治憲法体制の確立とアジアへの勢力拡大」というパネルがあります。
このパネルに関連のある資料(日清・日露戦争の資料とか)はないだろうか、と、探していたのです。
倉庫に眠っていた「15年戦争以前の資料」という名前の箱を引っぱり出してみました。(重かった…)
日露戦争実記
黒一色の印刷の「日清戦争実記」・「日露戦争実記」の横に、何やらカラフルな雑誌が入っていました。(上の図をご覧ください)
レトロというかモダンというかアールヌーボーというか、曲線模様や花の絵柄がなかなか素敵。文芸雑誌か婦人雑誌か、なんの雑誌だろう、と思って題字を見たら、「日露戦争写真画報」。「日露戦争実記」の定期増刊号でした。
今回は、「日露戦争写真画報」の表紙の絵を、ご紹介したいと思います。
日露戦争写真画報
左上:第12巻 1905年1月1日発行 右上:第30巻 1905年8月8日発行
左下:第32巻 1905年9月8日発行 右下:絵柄を拡大したところ
こちらの3点は、上でご紹介したものとデザインは同じで色が違います。
どちらも、作者は武内桂舟。浮世絵師で画家という人です。それが洋風の花の版画を作っている、というのは、面白いと思いました。タイトルは、「白百合」と、「鉄盾銀?百練堅」。?のところの漢字は、くさかんむりの下に、左に「白」右に「巴」です。
右上の百合の、下の方の渦巻き模様と、「博文館発行」の「文」と「発」が、ピンクになっていますが、これはよく見ると後から塗られています。
日露戦争写真画報
左上:第20巻 1905年4月8日発行 右上:第22巻 1905年5月8日発行
左下:第24巻 1905年6月8日発行 右下:絵柄を拡大したところ
こちらも色だけ変えて同じデザインです。
作者もおなじ武内桂舟です。タイトルは、「戦時の春」。
日露戦争写真画報
左上:第1巻 1904年4月8日発行
右上:第14巻 1905年1月25日発行 臨時増刊征露第一軍写真帖
左下:第21巻 1905年4月20日発行 臨時増刊旅順現状写真帖
右下:第18巻 1905年3月20日発行 臨時増刊奉天占領紀念帖
ほかのもご紹介します。
日露戦争写真画報の第1巻は、1904年4月に出ています。表紙は、彩色石版画「戦勝の光栄を示す瑞葉」武内桂舟筆。
右上のは、臨時増刊号です。表紙の絵は「戦陣芳香」。1月25日発行なので、梅の花でしょうか。作者は東城鉦太郎。
左下の、臨時増刊旅順現状写真帖の表紙絵は久保田金仙の「開城当時の旅順口」です。
右下の奉天占領紀念帖の表紙は、門の前に兵士が一人。左右に狛犬がいます。
この狛犬たち、左右でなんとなく表情が違う。よく見ると、向かって右の狛犬は、眉毛を書き足されているのです。
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http://www.peace-aichi.com/20141021_nichirosensou.pdf
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