◆所蔵品から◆資料ナンバー8034その他 星に鎖の紋章の話 資料班 



 
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上:箱
下:軍服 右胸(向かって左)にバッジ

 段ボール箱に入った形で、資料の寄贈がありました。中は軍服と帽子、あとは手紙などの紙類です。
 軍服の左そで(向かって右)には、白い布が縫いつけられています。「岡崎市梅園分会」「防衛」と文字が入っています。
 軍服の左胸にバッジがついていました。先月の「所蔵品から」でご紹介したお菓子の型で、同じデザインのものがあったよな、と思い出しました。

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上:バッジ
下:前回紹介したお菓子の型

 こちらがそのバッジです。裏側には「帝国在郷軍人会」「会員徽章」の文字がありました。星と錨と剣と楯を組み合わせたデザインの、在郷軍人会の会員バッジなのでした。
 あのお菓子の型は、在郷軍人会マークのお菓子の型だったのか。記念行事の時とかに配るのかしら。
 同時に寄贈された書類の中に、「帝国在郷軍人会歌」というのもありました。「建国二千有余年 神聖比なき皇国の…」という歌詞が書かれています。(6番まであります。)


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 同じ所からの寄贈で、こんなのがありました。短冊のような紙で、上の方に糸を通していたような大きさの穴があいています。
 筆の文字で、「第一乙種輜重兵特務兵」(輜重兵(しちょうへい)は、輸送をする仕事)「法第四十九條該当者」「岡崎市伝馬町」「(氏名)」と書かれているほかに、中央辺りには判子が押してあって、「豊橋連隊区抽籤徴兵署之印」 と読めます。抽籤(ちゅうせん)徴兵って、くじ引きで徴兵してたのか?
 「法第四十九條該当者」兵役法(徴兵に関する法律)の49条は抽せんから外される人の条件が定めてあります。それに該当するということは、抽せんの前にすでに徴兵されることが決まっている人、という意味らしい。この方は志願兵だったそうです。

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はがき 右から、昭和9年・昭和12年・昭和14年・昭和16年

 同じ方からの寄贈で、挨拶のはがきがありました。文面が4種類あります。それによると、昭和9年(1934年)「入営」して、昭和12年(1937年)もう一回「入隊」して昭和14年(1939年)に「除隊」。さらに昭和16年(1941年)「出発」しています。
 この、抽せんの券というか名簿というか、の札は、昭和9年「入営」の時使われたものと思われます。

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はがき 右から、昭和9年・昭和12年・昭和14年・昭和16年

 こちらのプリントは在郷軍人会の委員配属表です。在郷軍人会というのは、軍役から帰ってきた人たちの組織で、
 昭和15年度の配属表なので、昭和14年に帰ってきて、昭和16年に出征するまでの間に、この方は在郷軍人会に所属していたと思われます。




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http://www.peace-aichi.com/20140422_zaigougunjinkai.pdf



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