資料ナンバー5126~5136  こども用の着物の話            資料班

 裏布との間に綿の入った防寒用の着物です。袖なしの綿入れの羽織のようなタイプもあります。色合いと柄からすると、男の子用なんですが。どんな柄か、見てみましょう。


 よく使われているモチーフは、飛行機。プロペラが回っています。胴体や翼には日の丸。爆弾を落としてるものもあります。子どもの背中の幅いっぱいに、戦闘機が連なって飛んでいたりします。(爆弾を落としているものは、正確には「爆撃機」というのでしょうか。)他に「のりもの」では、船とか戦車とか電車とか出てきます。車輪のついた大砲の絵柄もあります。
 旭日旗も、よく出てきます。日の丸の赤い丸を中心にして光の筋のように放射状に赤と白のしましまになっているのが旭日旗です。第二次世界大戦中の日本の陸軍や海軍の旗のデザインは旭日旗でした。
 「兵隊さん」の絵柄もいくつか出てきます。行進しているところや、天安門みたいな所で日の丸をあげているところ、大砲や聴音機を扱っているところの絵もあります。聴音機は、前々回の絵はがきにも出てきました。見た目は大きいラッパが4本。見えない飛行機を音で探す装置です。


 子どもの絵柄もあります。「兵隊さん」の行進に手を振る子どもたち、とか、軍服のような服を着て、黒い長靴に赤い帽子でサーベルを振り上げて木馬(ロッキングホース、前後に揺れるやつです)に乗っている子、とか。
 うさぎとくまの白いぬいぐるみ、というのもあります。どちらも首には青いリボンをしています。おもちゃのラッパやトラックや電車や積み木が、かわいらしい絵柄で書かれています。ここまではかわいいのですが、一緒に、リアルな黒い電気機関車も描かれているのです。さらに、点と線で星座風に飛行機と日の丸の旗の絵が入ります。ぬいぐるみやおもちゃの描き方はどちらかというと洋風なのですが、背景というか地の模様は和風の市松模様なのです。いろいろな要素が無理やり詰め込まれている感じです。ここまでするか、というような。